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中国建材ニュース|中国国家建築材料グループ: イノベーションを推進して「国家材料」を創造

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7月 2, 2024

中国建材ニュース|中国国家建築材料グループ:イノベーションを推進して「国家材料」を創造

世界最大の建材グループが描く未来戦略

有人宇宙飛行、月探査プロジェクト、国産大型航空機などを支える新素材を独自に研究開発し、長さ123メートルの風力タービンブレード、厚さ0.12mmのタッチガラスなど、世界トップレベルの製品を生産──これらはすべて、中国国家建築材料グループ(以下、中国建材集団)の成果です。

世界最大の総合建築材料業界グループであり、新しい無機非金属材料の分野における中国の「国家チーム」として、中国建材集団は、イノベーションを原動力として新たな生産力の育成と開発を加速し、「国家材料」の創造を通じて、中国が完全性と安全性を備えた高度な近代産業システムを構築する使命を担っています。

基礎研究への大規模投資──「0から1」のブレークスルー

窒化ケイ素セラミックボール──ダイヤモンドに次ぐ硬度

中国建材集団の高性能窒化ケイ素セラミック生産ラインでは、高純度の窒化ケイ素粉末をセラミックブランクにプレスし、2,000気圧の高圧、2,000℃の高温で鍛造するという高度な製造プロセスが実施されています。

完成した窒化ケイ素セラミックボールの硬度はダイヤモンドに次ぐレベルで、重量は同じ体積の鋼鉄のわずか40%です。これで作られたセラミックベアリングは、毎分60万回転という超高速回転に耐え、摂氏1,200度の高温環境でも使用可能で、さらに自己潤滑特性を備えています。

この革新的な素材は、航空宇宙エンジン、月面探査車、風力タービン、電気自動車など、幅広い分野での応用が期待されています。

中国が直面してきた技術的課題

素材はものづくりの基礎です。中国は長年、材料研究開発の分野において以下のような課題に直面してきました。

スタートの遅れ
欧米や日本と比較して、先端材料の研究開発に着手した時期が遅く、技術的な蓄積が不足していました。

参考となる経験の不足
最先端の材料開発では、前例となる技術や製造プロセスが公開されておらず、すべてを独自に開発する必要がありました。

技術封鎖
重要な核心材料技術が西側諸国によって封鎖され、入手できない状況が続いていました。

逆転への挑戦──年間100億元超の研究開発投資

中国建材集団は、こうした困難な状況を打破するため、基礎科学研究と「0から1」のイノベーションのブレークスルーを重視し、研究開発への投資を継続的に増加させてきました。

投資規模の拡大
2016年から2023年まで、中国建材集団の研究開発投資は年間平均100億元以上で、複利成長率は12.3%に達しています。この規模の研究開発投資は、中国の国有企業の中でもトップクラスです。

知的財産の蓄積
過去2年間で307件の新たな中核発明特許が追加され、技術的な優位性を確立しています。

重要技術の突破
大型航空機用炭素繊維複合材料、大型赤外線光学材料、高効率発電ガラスなど、数々の「行き詰まり」技術の克服に成功しました。これらの材料は、長征シリーズの打ち上げロケットや神舟シリーズなど、中国の「大国の重要な兵器」に使用されています。

基礎建材分野での技術革新

第二世代新乾式セメント技術

中国建材集団は、第二世代新乾式セメントインテリジェント技術・設備を独自に研究開発し、セメント製造の自動化、効率化、省エネルギー化を実現しました。

特殊セメントの開発
低発熱セメント、油井セメント、原子力発電用セメントなど、8カテゴリー110種類以上の特殊セメントを開発しています。これらは、ダム建設、石油採掘、原子力発電所建設など、特殊な用途に最適化された高性能セメントです。

国際標準化への貢献
基礎建材と「デュアルカーボン(二酸化炭素排出削減)」技術における優位性を活かし、国際規格策定に積極的に参加。「技術リーダー」から「標準リーダー」への変革を実現しています。

中国建材集団の周玉賢会長は、「技術革新は新たな産業、新たなモデル、新たな運動エネルギーを生み出すことができ、新たな生産性の発展の中核要素となる」と述べています。

炭素繊維──海外封鎖を打破した10年間の挑戦

T1000グレード炭素繊維の成功

箸ほどの厚さのSYT65(T1000グレード)カーボンファイバーの束は、C919国産大型航空機2機を牽引するのに十分な強度を持っています。炭素繊維の研究開発と大規模な生産能力を備えている国は世界でも数えるほどしかなく、中国もついにその仲間入りを果たしました。

2023年、中国建材集団の子会社である中福神営建設による年間生産量25,000トンの世界最大の高性能炭素繊維プロジェクトが西寧市で本格的に生産を開始しました。現在、中福神営の連雲港本社はT1100グレード炭素繊維の製造にも成功しています。

「ワンイノベーション、Nイノベーション」モデル

10年間刀を研ぎ続け、海外封鎖を打破するため、中福神営は炭素繊維の独自研究開発に挑戦し、独自のイノベーションモデルを確立しました。

ワンイノベーション(一創新)
原料企業が核心技術を征服し、炭素繊維の製造プロセス全体を確立します。

Nイノベーション(N創新)
下流の生産会社が新素材を使用して新製品を製造し、航空機部品、風力タービンブレード、自動車部品など、様々な応用分野を開拓します。

このモデルにより、研究開発の成果が迅速に実用化され、産業全体の発展を牽引することが可能となりました。

イノベーション成果の産業化──実験室から市場へ

周玉賢会長は、「科学技術イノベーションの成果の転換は、科学研究と生産をつなぐ重要な架け橋であり、新たな生産力の育成と発展における核心であり、技術革新から産業革新への移行を達成するために不可欠なもの」と強調しています。

多層的な新素材産業システム

中国建材集団は、実験室での独自のイノベーションから結果の変革の加速、「リストの公開」の推進、新素材産業向けのハイエンド設備システムの確立まで、科学研究と生産における共同イノベーションを推進しています。

その結果、以下のような高レベルな科学技術イノベーション成果の産業化に成功しました。

  • 高性能炭素繊維
  • リチウム電池セパレーター
  • 耐火物
  • 先端セラミックス
  • 発電用ガラス
  • 人工結晶

これらの産業は、「10億元級─50億元級─100億元級」という階層型レイアウトの新素材産業システムを形成しています。

グリーントランスフォーメーション──伝統産業の革新

セメント産業のイメージを変える

山谷に位置する年間生産量400万トンの中国建築資材山亜南水セメント工場は、粉塵がなく、工場エリア全体が植物で覆われた庭園のように美しく整備されています。高汚染というセメント業界の固定観念を完全に覆す光景です。

低炭素技術の導入

セメントに代表される基礎建材は中国建材集団の中核事業です。同グループは、基礎建材の炭素排出削減に積極的に取り組んでいます。

省エネ技術変革
製造プロセスの見直しにより、エネルギー効率を大幅に向上させています。

新エネルギー利用の拡大
太陽光発電、風力発電など、再生可能エネルギーの利用割合を高めています。

低炭素セメントの開発
中国建材社の新しい低炭素セメントクリンカー単一燃焼技術は、2023年に炭素排出量25%削減を達成する予定です。

デジタルインテリジェンスの活用

中国建材グループは「デジタル中国建材」の構築に全力を尽くし、泰安忠連を代表とするセメントインテリジェント実証ラインを20基建設しました。

デジタル技術とAIの導入により、生産効率の向上、品質の安定化、エネルギー消費の削減を同時に実現しています。

戦略的新興産業への展開

中国建材集団は、基礎建材産業の変革と高度化に加えて、戦略的新興産業の配置にも注力しています。

新素材産業ファンドの設立

150億元規模の新素材産業ファンドを設立し、以下のような新たな分野への投資を開始しました。

  • 半導体大型シリコンウェーハ
  • 太陽光発電材料
  • フォトレジスト(半導体製造用感光材料)

未来産業への先行投資

新素材産業の発展動向、戦略的新興産業、将来の産業発展見通しに焦点を当て、以下のような新エネルギー産業応用材料の研究開発と生産を事前に計画しています。

  • 水素貯蔵ボトル(水素エネルギー社会の基盤)
  • フレキシブルガラス(折りたたみ式ディスプレイ用)
  • 発電用ガラス(建材一体型太陽光発電)

日本企業への示唆

中国建材集団の戦略から、日本企業が学ぶべき点と注意すべき点があります。

中国の技術的キャッチアップの加速

かつて「技術封鎖」により入手できなかった先端材料を、中国は独自の研究開発により次々と国産化しています。年間100億元を超える研究開発投資は、この分野における中国の本気度を示しています。

日本企業がかつて技術的優位性を持っていた分野でも、中国企業が急速にキャッチアップしている現実を直視する必要があります。

国家戦略としての材料産業

中国政府は、先端材料産業を「国家の安全保障」に関わる戦略産業と位置づけています。中国建材集団のような国有企業が、巨額の投資と長期的な視点で技術開発に取り組んでいることは、この分野での中国の競争力が今後さらに高まることを意味します。

協力の可能性

一方で、日本企業が強みを持つ分野もあります。特に、精密加工技術、品質管理技術、先端計測技術などは、依然として日本が優位性を保っています。

中国企業との技術提携、共同研究開発、人材交流などを通じて、相互に利益を得られる協力関係を構築することは、両国の産業発展にとって有益です。

グリーン技術への需要

中国が「カーボンニュートラル」を国家目標として掲げる中、省エネルギー技術、排出削減技術、環境保護技術への需要は急速に高まっています。

日本が長年培ってきた環境技術は、中国市場において大きな価値を持ちます。この分野での協力を深めることで、ビジネスチャンスを拡大できる可能性があります。

まとめ

中国国家建築材料グループの取り組みは、中国が「製造大国」から「製造強国」へ、さらに「イノベーション強国」へと転換しようとする国家戦略の縮図です。

伝統的な建材産業のグリーン化と高度化を進めながら、同時に先端材料分野での技術的ブレークスルーを追求する──この両面作戦は、日本企業にとっても参考になる戦略です。

今後、中国建材市場は量から質への転換がさらに進み、高付加価値製品、環境対応製品、先端技術製品への需要が拡大するでしょう。この変化を正確に捉え、適切な戦略で臨むことが、日本企業の成功の鍵となります。


HONG KONG JCBO LIMITED(香港佳士博有限公司)
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