中国建材ニュース|順輝石版山東省旗艦店が栄光の船出──淄博陶磁器産業に新風
陶磁器の街・淄博で新たな歴史が始まる
2024年6月27日、中国山東省淄博市の中国(淄博)陶磁器本社基地において、順輝天成石板(スンフイティエンチョンスラブ)の山東省旗艦店が盛大なオープニングセレモニーを開催しました。「旭日・聖岩開花」をテーマに掲げたこの式典には、多くの業界関係者や地元有力者が集まり、中国建材業界の新たな一ページが刻まれました。
淄博──陶磁器文化の中心地
山東省を旅すると、各都市がそれぞれ独自の特色を持っていることに気づきます。青島はビール、煙台はリンゴで有名ですが、淄博市は何といっても陶磁器の街として知られています。淄博は斉魯文化(山東省の伝統文化)とモダンなファッションが融合した都市であり、東洋陶磁文化を世界に発信する窓口として、奥深い文化遺産を今に伝えています。
この歴史ある陶磁器産業の中心地に、国産スレート(大判磁器タイル)の主要ブランドである順輝天成石板が旗艦店を構えたことは、中国建材業界において大きな意義を持つ出来事です。
オープニングセレモニー──産官学が一堂に会する
地元行政の全面的支援
式典では、淄博市伝統産業発展センターの党委員会書記兼所長である唐海軍氏がスピーチを行い、順輝天成石板の山東本店設立に対する全面的な支持と肯定の意を表明しました。
唐氏は「陶磁器の街・淄博には強い文化的雰囲気と奥深い陶芸遺産があります。国の新たな生産力発展という文脈において、順輝天成石板が淄博陶磁器産業との共鳴を実現し、変化する状況の中で互いに学び、助け合い、共通の発展を目指すことを期待しています」と述べました。
この発言からは、地方政府が伝統産業である陶磁器産業の革新と高度化を重視していること、そして外部の優れた企業との協力を通じて産業全体の競争力を高めようとする戦略が読み取れます。
業界団体の期待
中国(淄博)陶磁器本社の副総経理である馮洛霞氏は、「順輝天成石板は国産スレートの主要ブランドの一つとして、中国淄博陶磁器本社に参入した後は間違いなく強力な力を注入するでしょう。同時に、北部陶磁器のブランド構築と市場構築をさらに促進し、南北交流を促進し続けます」と期待を述べました。
中国の陶磁器産業は、広東省を中心とする南部地域が技術革新とデザイン性で先行してきた歴史があります。一方、山東省を含む北部地域は伝統的な産地でありながら、近年は南部に押され気味でした。今回の順輝天成石板の進出は、南部の先進技術と北部の伝統産業の融合を促進する契機として注目されています。
企業側のコミットメント
順輝天成石板のマーケティングディレクターである孫清氏は、「より高品質の資源を導入し、南北企業間の交流と協力を促進し、陶磁器のより豊かでより良い未来を共同で創造していきます」と決意を表明しました。
また、山東本店の経営者であり淄博東秀建材有限公司の会長であるビー・ヤンビン氏は、「順輝天成スラブのブランドと製品の優位性、サービスの優位性を最大限に活用し、高品質のスレートをより幅広い市場に送り出し、さまざまな消費者のニーズを満たします」と抱負を語りました。
伝統と現代の融合──展示ホールに見る東洋美学
400平米の体験空間
式典終了後、来賓は順輝天成石板山東本店の展示ホールに移動しました。400平方メートルの体験スペースには、数々の話題作となった新製品が一堂に展示されています。
展示ホール全体は、単なる製品陳列の場ではなく、生活空間としての提案がなされています。それぞれの空間は芸術的な雰囲気に満ちており、デザインと製品が互いに引き立て合い、東洋芸術のワンストップシーンを体験できる構成となっています。
東洋の家庭美学の追求
順輝天成石板が提案する「東洋の家庭美学」は、単なる伝統様式の模倣ではありません。深い文化の継承と現代的な芸術表現を融合させた、新しい住空間のあり方を示しています。
デザイナーは綿密な調査を通じて、山東省を含む中国東部地域の人々の生活習慣を深く理解し、それに適合する空間設計を実現しました。一つひとつの石板が、一つの風景となり、一歩進むごとに異なるスタイルが展開される──こうした「ワンステップ、ワンスタイル」のコンセプトは、東洋の伝統文化の継承と革新の追求を住宅デザインに統合したものです。
日本企業への示唆──中国建材市場の最新トレンド
この順輝天成石板山東旗艦店のオープンから読み取れる、中国建材市場の重要なトレンドをいくつか指摘します。
①国産ブランドの台頭
順輝天成石板は「中国初の石板ブランド」を自称しており、国産ブランドとしての誇りと自信を前面に打ち出しています。中国政府が推進する「国の信頼、文化的自信」という方針と合致するこの姿勢は、今後さらに強まるでしょう。
かつて中国の建材市場では、イタリアやスペインなどヨーロッパブランドが高級品の代名詞でした。しかし近年、技術力を高めた中国国内メーカーが、品質・デザイン性・価格競争力の三拍子揃った製品を次々と投入し、市場シェアを拡大しています。
②大判タイル(スレート)市場の成長
「石板(スレート)」と呼ばれる大判の磁器タイルは、中国建材市場における近年の最大のトレンドの一つです。従来の300×300mmや600×600mmといったサイズから、1200×2400mm、さらには1600×3200mmといった超大判サイズへの移行が急速に進んでいます。
大判タイルのメリットは、目地が少なくなることで美観が向上すること、施工効率が上がること、そして一枚の板で天然石のような高級感を演出できることです。中国の富裕層や中間層の住宅で、この大判タイルの採用が急増しています。
③地方都市への展開加速
今回の出店先が上海や北京といった一級都市ではなく、山東省淄博市という地方都市であることは注目に値します。中国の建材市場は、すでに大都市だけでなく、地方都市にも大きな市場が形成されています。
地方都市でも住宅の質的向上への需要は高く、高品質な建材への需要が拡大しています。日本企業が中国市場を考える際、一級都市だけでなく、二級・三級都市の潜在力にも目を向ける必要があります。
④体験型ショールームの重視
400平米という広大な展示スペースで、実際の生活空間を再現したショールームを展開していることも、現代の建材販売における重要なトレンドです。
単に製品を陳列するのではなく、実際の使用場面を体験できる空間を提供することで、消費者は完成後のイメージを具体的に掴むことができます。この「体験型マーケティング」は、高額商品である建材の販売において、ますます重要になっています。
まとめ──変化する中国建材市場への対応
順輝天成石板山東省旗艦店のオープンは、中国建材市場の現在と未来を象徴する出来事です。国産ブランドの台頭、技術革新の加速、地方市場の成長、体験型販売の重視──これらすべてのトレンドが、この一つのイベントに凝縮されています。
日本企業にとって、中国建材市場は依然として大きな機会を提供していますが、市場環境は急速に変化しています。国産ブランドの競争力向上により、単純な「日本製=高品質」という図式は通用しなくなっています。
成功のためには、真の差別化要因(独自技術、優れたデザイン、きめ細かなサービス)を明確にし、現地のニーズに合わせた製品開発と販売戦略が不可欠です。
当社HONG KONG JCBO LIMITEDは、中国建材市場の最新動向を常に把握し、日本企業の皆様に有益な情報とサポートを提供してまいります。
HONG KONG JCBO LIMITED(香港佳士博有限公司)
中国建材市場の専門家として、日本企業の成功をサポート