中国建材ニュース|中国建設工程総公司のもう一つの傑作である厦門航空の新本社ビルが正式に稼働
2022-12-30 11:38:08
中国建材ニュース|厦門航空新本社ビル完成──中国建設工程公司が手がける42,000㎡の内装プロジェクト
厦門市の新たなランドマークが誕生
最近、中国福建省厦門市に新たなランドマークとなる「厦門航空新本社ビル」が正式に稼働を開始しました。このプロジェクトでは、中国建設工程公司が42,000平方メートルを超えるオフィススペースの内装工事を担当し、その卓越した技術力と品質管理能力を発揮しました。
プロジェクトの概要
戦略的重要性
厦門航空本社ビルは、福建省および厦門市の重要プロジェクトとして位置づけられています。中国南部の主要都市である厦門のビジネス中心地、湖里区の海峡金融センターエリアに建設されました。
建物の規模と構成
総建設面積:174,000平方メートル
プロジェクトは以下の要素で構成されています。
- オフィスタワー:最新のビジネス機能を備えた高層オフィス
- ホテルタワー:5つ星ホテル
- 表彰台(ポディウム):低層部の商業施設
- 付属地下室:駐車場および設備スペース
機能の複合化
5A級オフィスビル(中国における最高グレードのオフィスビル)と5つ星ホテルが一体となった超高層総合ビルであり、商業、レジャー、金融、文化機能を担う多機能複合施設です。
建築デザインの特徴
世界的建築家による設計
このプロジェクトは、英国の世界的に有名な建築事務所フォスター・アンド・パートナーズ(Foster + Partners)によって設計されました。同事務所は、ロンドンのガーキンビル、香港の香港上海銀行本店ビルなど、世界中の象徴的な建築物を手がけています。
武夷山からインスピレーション
建築デザインは、福建省の名峰・武夷山の物理的特徴にインスピレーションを得ています。山の雄大さと自然の美しさを現代建築に昇華させたデザインコンセプトです。
透明な構造
建物の1階(ロビー階)と上部は透明な構造を採用し、開放感と軽快さを表現しています。ガラスを多用することで、自然光を最大限に取り入れ、内外の視覚的なつながりを創出しています。
ファサードデザイン
ファサード(建物外壁)の主要素材はカーテンウォールシステムです。出窓との組み合わせにより、外へ広がる重層感を表現し、建物のテクノロジー感を際立たせています。この立体的なファサードは、視覚的な動きと陰影を生み出し、時間帯や天候によって表情を変えます。
圧倒的な高さ
建物の高さは185メートルで、湖里区で最も高い建物です。厦門市のスカイラインに新たな存在感を加え、遠くからでも識別できるランドマークとなっています。
中国建設工程公司の施工実績
約1年間での完成
中国建設工程公司のプロジェクト部門は、着工から完成まで約1年という短期間で、質と量を予定どおりに納品するという目標を達成しました。42,000平方メートルという広大な面積の内装工事を、これほど短期間で完成させたことは、同社の組織力と技術力の高さを示しています。
プロジェクトマネジメントの卓越性
綿密な計画
プロジェクト開始前に詳細な工程計画を立案し、各工程の所要時間、必要人員、資材調達スケジュールを明確化しました。
効果的な組織と調整
複数の専門工事業者(電気、空調、給排水、内装仕上げなど)を統括し、工程間の連携をスムーズに進めました。
効率的な実行
計画に基づいて実務を着実に進め、進捗、品質、安全性の各面で高い水準を維持しました。
困難な状況の克服
建設プロセス中、プロジェクトチームは多くの困難に直面しました。
新型コロナウイルス感染症の影響
パンデミック期間中の予防と制御措置により、人員の移動制限、資材調達の遅延などの問題が発生しましたが、適切な対策により工期への影響を最小限に抑えました。
工事の輻輳
複数の専門工事が同時進行する複雑な状況の中で、綿密な調整により干渉を最小化しました。
高温天候
厦門の夏季の高温多湿な気候条件下での作業は、作業員の健康と工事品質の両面で課題となりましたが、適切な対策を講じて克服しました。
積極的な計画と柔軟な対応
プロジェクト部門は、これらの悪条件に対して積極的に計画を立て、リソースを合理的に配分し、人員と資材を適時に現場に投入しました。専門的かつ技術的な人材を通じて関連する技術的問題を秩序正しく解決し、顧客満足度の高いサービスを提供しました。
技術革新の積極的活用
BIMテクノロジーの適用
プロジェクトチームは、建設プロセス中に革新的な技術を積極的に活用しました。特に、BIM(Building Information Modeling:ビルディング・インフォメーション・モデリング)テクノロジーの導入により、プロジェクトの品質と効率が大幅に向上しました。
3次元モデルの確立
建物の構造、設備、内装のすべての要素を統合した詳細な3Dモデルを作成しました。これにより、設計段階での干渉チェック、施工前のシミュレーション、完成後の維持管理まで、建物のライフサイクル全体をデジタルで管理できます。
ノードシミュレーション
複雑な接合部や重要な施工箇所について、事前に3Dシミュレーションを実施し、最適な施工方法を検討しました。これにより、現場での試行錯誤を減らし、手戻りを防止できました。
施工方法の最適化
BIMモデルを活用して、作業手順、資材搬入ルート、機械配置などを最適化し、施工効率を向上させました。
グリーンビルディングへの取り組み
持続可能な開発の概念
プロジェクトの建設中、持続可能な開発の概念が一貫して遵守されました。グリーン建築基準がプロジェクト建設のライフサイクル全体に適用され、環境負荷の低減と資源の有効活用が重視されました。
環境に優しい材料の使用
省エネルギーと排出削減を達成するために、環境に優しい材料が多数使用されました。
- 低VOC(揮発性有機化合物)塗料:室内空気質の改善
- リサイクル材料:資源の循環利用
- 高断熱材料:エネルギー効率の向上
- 節水型設備:水資源の節約
LEED認証の取得
このプロジェクトは、米国のグリーンビルディングに対するLEED(Leadership in Energy and Environmental Design)ゴールド事前認証を取得しています。LEEDは世界で最も広く認知されているグリーンビルディング認証システムの一つであり、ゴールドレベルの取得は高い環境性能を証明するものです。
プロジェクトの完了後は、資源保全、健康と快適さ、グリーン環境保護の観点から、中国南部の商業建築における新たな基準を示すことが期待されています。
内装デザインの特徴
圧倒的なロビー空間
厦門航空の新本社ビルに入ると、まず訪問者を迎えるのは高さ20メートルの壮大なオフィスロビーです。この空間には、6.6メートル×12.9メートル、重量40トンという巨大なエンジンアートの石造彫刻が設置されており、航空会社の本社ビルとしての強烈なアイデンティティを表現しています。
モダンオフィスコンセプト
シンプルかつ洗練されたデザイン
オフィスビルの内部空間は、シンプルですっきりとしたラインを採用し、クラシカルかつ合理的、そして技術的なデザイントーンを生み出しています。無駄な装飾を排除し、機能美を追求したデザインです。
柔軟なレイアウト
オフィス空間は、システム性を重視しながらも柔軟なレイアウトの枠組みを維持しています。多様な作業設備を使用して最大限に活用できる共有ワークスペースを創造し、従来のオフィスレイアウトの限界を打ち破りました。
伝統的なキュービクルからの脱却
固定された個室やパーティションに区切られた従来のオフィススタイルではなく、「効率性と先進性、人道的ケア、グリーンで持続可能」という現代のオフィスコンセプトを体現しています。オープンな交流と内部と外部の統合を実現する現代のオフィススタイルです。
多様な機能空間
機能に応じた空間設計
オフィス、ミーティングルーム、ティーブレイクエリア、フィットネススペースなど、利用者の多様な機能的ニーズに合わせて室内空間のレイアウトを設計しています。
芸術的雰囲気の創出
ここのオフィス空間は、単なる機能性だけでなく、ファッション、自然、イノベーションといった芸術的な雰囲気を昇華させたものとなっています。
ゆったりとした豊かな空間
働く人々がリラックスし、クリエイティビティを発揮できる、ゆとりのある空間を実現しています。
プロジェクトの意義
厦門のもう一つのランドマークとなった厦門航空の新本社ビルは、建築装飾における中国建設工程公司の創意工夫と品質の高さを世界に示しました。
同社は、クライアントからの信頼と期待に応え、専門的・技術的優位性と典型的なプロジェクトのデモンストレーション役割を最大限に発揮しました。卓越した姿勢でオーナー様にご満足いただけるプロジェクトを創造し、今後もより質の高いオフィススペースを提供し続けることを約束しています。
日本企業への示唆
この厦門航空新本社ビルのプロジェクトから、日本企業が学ぶべき点がいくつかあります。
中国建設企業の技術力向上
中国の建設企業は、かつて「安かろう悪かろう」というイメージがありましたが、現在では世界トップクラスの建築家と協力し、BIMなどの最新技術を駆使して、国際水準の品質を実現しています。
グリーンビルディングの重視
LEED認証の取得に見られるように、中国の大型プロジェクトでは環境性能が重視されています。日本企業が持つ省エネルギー技術、環境配慮型材料、室内環境品質向上技術などは、こうしたプロジェクトにおいて価値があります。
内装市場の高度化
42,000平方メートルという大規模な内装工事は、単なる仕上げ工事ではなく、空間デザイン、機能計画、技術統合を含む高度な専門性が要求されます。日本の内装業界が培ってきた技術とノウハウは、中国市場でも需要があります。
スピード感のある施工
約1年という短期間での完成は、日本の建設業界の基準から見ても驚異的です。中国の建設プロジェクトでは、このスピード感が常態化しており、日本企業が中国市場で競争するためには、この点への対応が必要です。
まとめ
厦門航空新本社ビルは、中国の建設業界における技術革新、品質管理、環境配慮、デザイン性の向上を象徴するプロジェクトです。世界的建築家のデザイン、最新技術の活用、グリーンビルディング基準の達成、そして短期間での高品質な施工──これらすべてが、中国建設業界の現在の実力を示しています。
日本企業にとって、中国市場は依然として大きな機会を提供していますが、競争環境は年々厳しくなっています。中国企業の技術力向上を正確に認識し、自社の独自性を明確にした戦略で臨むことが、成功の鍵となるでしょう。
HONG KONG JCBO LIMITED(香港佳士博有限公司)
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