
中国の造作家具で品質問題が起きたとき、出荷前検品だけで修正しようとしても手遅れになることがある。完成後は内部基材、接着、下地金物などが見えなくなるからだ。ホテル、店舗、住宅の特注家具では、完成品検査に加えて生産途中の工程確認を設定することが有効である。
第一の確認点は材料入荷時である。指定した合板、MDF、突板、金物が入荷しているかをラベルや数量で確認する。第二は木取り・加工後で、板厚、主要寸法、穴位置などを確認する。第三は仮組み工程で、扉、引出し、異素材部品との接合を確認する。この段階なら寸法修正が比較的容易だ。
第四は塗装・表面仕上げ前である。下地処理や木目方向、突板継ぎなどは塗装後では直しにくい。承認色板を工場へ置き、塗装条件を固定する。第五が梱包前の完成検査で、外観、機能、数量、ラベルを確認する。ここで合格した製品だけを梱包し、コンテナ積込へ進める。
全工程へ検品員を常駐させる必要はない。案件のリスクが高いポイントを選び、写真・動画確認と現地検査を組み合わせればよい。例えば100室のホテル家具なら最初の5室分を重点検査し、問題がなければ量産を進める方法がある。逆に最初から100室分を完成させてから不具合が判明すると修正コストが大きい。
品質管理で重要なのは不良率をゼロにすることではなく、不具合を早い工程で発見することである。中国工場との取引では「完成したら検品に行く」から「生産工程のどこで何を確認するか」へ管理方法を変えることで、納期遅延と再製作リスクを大幅に減らせる。





