
中国工場で家具や建材を量産した後、日本へ出荷する直前に行う検品は、輸入案件の最後の品質ゲートになる。一般消費財では抜取検査が広く利用されるが、建築・内装製品では単純な外観不良率だけで合否を決めると実務に合わない。現場で取付不能になる寸法違い、左右逆、穴位置違い、電圧違いなどを重大不良として別管理する必要がある。
造作家具なら、まず承認図面と量産品を照合する。外形寸法だけでなく、棚位置、配線穴、巾木逃げ、壁固定位置、金物型番を確認する。ホテル家具では客室タイプごとに代表品を組み立て、扉・引出しの動作、水平、隙間を確認する。店舗什器なら陳列荷重や照明組込み部分も確認対象となる。
タイル、石材、ガラスでは検査項目が異なる。タイルは寸法、反り、色差、表面欠陥、ロット表示、箱数量を確認する。石材は模様や色のばらつきが天然材料の特性なのか、承認範囲を超える不良なのかを事前に決める。ガラスは傷、欠け、寸法、穴加工、エッジ加工を確認し、梱包後に製品番号が追跡できるようにする。
検品会社へ「quality inspection」とだけ依頼すると、一般的なチェックで終わる可能性がある。日本側が検査仕様書を作り、Critical、Major、Minorに相当する不良例を写真付きで示す方が効果的だ。例えば寸法違いで施工不能は重大、目立つ位置の塗装傷は主要、見えない裏面の軽微な傷は軽微というように案件ごとに定義する。
さらに検品合格と出荷許可を分ける。検査報告書を日本側が確認し、不良修正写真を受け取ってから出荷指示を出す。工場が船の締切を理由に先にコンテナ積みしてしまうと修正できない。中国調達では「作った後に検査する」のではなく、検査結果を出荷判断に結び付ける契約運用が品質リスクを大きく下げる。





