
中国の家具・建材メーカーを訪問すると、大規模なショールームや最新デザインの展示品に目を奪われやすい。しかし日本向け調達で確認すべきなのは「展示品を作れるか」ではなく、「承認した仕様を数十、数百個同じ品質で量産できるか」である。工場監査では営業説明と実際の製造現場を分けて評価する必要がある。
第一に会社と工場が同一主体かを確認する。第二に主要工程の内製・外注範囲、第三に主要設備、第四に材料倉庫と材料識別、第五に図面管理を見る。さらに第六として工程内QC、第七として完成品検査、第八として不良品隔離、第九として梱包工程、第十として過去の輸出案件記録を確認すると、工場の基本能力を把握しやすい。
特に外注工程は重要である。家具工場が金属加工、塗装、石材、ガラスを別工場へ出している場合、元工場の品質管理が外注先まで及んでいるかを見る。日本側が承認した材料が外注工程で変更される可能性もある。外注先名称を開示できない場合でも、受入検査やロット管理の記録を確認したい。
監査時には不良品置場を見ることも有効だ。完成した良品だけを見るより、どのような不良が発生し、どう処理しているかを見ると品質文化が分かる。検査記録がすべて完璧でも現場と一致しない場合は注意が必要である。上海WMFのような展示会で自動化設備が増えている現在でも、設備と管理は別問題だ。日本企業は工場規模、価格、営業対応だけでなく、図面、材料、工程、検査、梱包の証拠を確認し、案件ごとにリスク評価を行うべきである。




