
中国の建材市場では、木質パネル、石目調パネル、金属装飾材、吸音材、化粧板など飲食店で使いやすい内装材料が非常に多い。しかし、日本のレストランや居酒屋に採用する場合、「中国で商業施設に使われている」という説明だけで材料を決定してはいけない。建築物の用途、規模、階、使用場所などによって建築基準法の内装制限を受ける可能性があるためだ。
国土交通省の資料では、料理店・飲食店、物販店舗など一定の特殊建築物について、条件に応じて壁・天井の仕上げに難燃材料や準不燃材料などが要求される。また地下部分や無窓居室、火気を使用する室などでは別の条件が関係する。したがって「店舗用だからこの材料で問題ない」という判断ではなく、物件ごとに設計者や確認検査機関等と確認する必要がある。
中国メーカーとの商談では、防火試験について「A级」「B级」など中国側の表現だけが提示されるケースがある。しかし中国規格による性能区分と、日本の不燃材料、準不燃材料、難燃材料の扱いを単純に置き換えることはできない。日本のプロジェクトで法令上の性能が要求される場所なら、日本で認められる材料・認定仕様であるかを設計段階で確認することが重要になる。
実務上は、意匠設計を完成させてから材料の認定を調べるのでは遅い。中国から特殊な壁材を500平方メートル発注した後、日本側で使用できない場所が判明すれば、材料代だけでなく海上運賃、通関費、保管料、工程遅延まで損失になる。候補材を選んだ段階で、構成材、厚さ、下地、接着方法、施工方法、防火関係資料を集め、日本側の設計担当者へ渡す工程を標準化したい。
一方、床は壁・天井と同じ内装制限の考え方ではないなど、使用部位によって扱いが異なる。中国製品を排除するのではなく「どこなら使えるか」を設計側と整理することが重要だ。飲食店は中国建材のデザイン力を活用しやすい分野だが、輸入調達担当者と設計者が発注前に法規情報を共有することが成功の条件になる。
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