
中国から飲食店用の椅子、テーブル、カウンター、タイル、石材、照明、装飾金物を調達する案件が増えているが、住宅用商品と同じ選定基準で進めると施工後のトラブルにつながりやすい。飲食店では営業時間中に水、油、熱、洗剤が繰り返し作用し、さらに厨房周辺には火気や排気設備がある。したがってデザインや単価より、用途別の性能を先に決める必要がある。
床材では滑りにくさ、吸水、清掃性、目地管理が重要になる。中国タイルは選択肢が非常に多いが、サンプル1枚の見栄えだけでは判断できない。寸法公差、反り、厚さ、色差、吸水率などを確認し、施工会社が使用する接着剤や下地との相性も確認する。天然石では水分や油による染み、酸への耐性、裏面処理の有無などが実際の店舗運営に影響する。
造作家具では合板、MDF、パーティクルボードなどの基材、接着剤、塗装の仕様を図面に記載する。日本の建築基準法ではホルムアルデヒド発散建築材料について使用制限があり、告示対象材料を用いた造り付け家具やキッチンキャビネットも対象となる場合がある。中国で一般的な環境等級や検査報告が、そのまま日本のF☆☆☆☆等級と同じ法的扱いになるわけではないため、設計者が日本側の使用条件を確認する必要がある。
厨房や火気使用室では内装制限の確認も不可欠だ。不燃、準不燃等が必要な部位に、中国メーカー独自の「fireproof」表示だけで採用判断をしてはならない。日本で必要な性能と認定の有無を確認し、対象部位を設計者・施工会社・確認検査側で整理する。照明器具や電源装置についても、PSE対象の電気用品であれば輸入者に法的義務が生じる。
飲食店内装の中国調達では、設計図を中国語へ翻訳するだけでは足りない。日本の現場が必要とする法規、寸法公差、耐水性、清掃性、交換可能性まで仕様書に入れ、それを工場検品項目へ変換することが重要だ。開業日のある店舗では、不適合品を日本到着後に作り直す時間がない。サンプル承認、中間検品、出荷前検品の三段階で管理することが、最終的には最も安い調達方法となる。
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