
中国国家統計局によると、2026年1~8月の飲食収入は3兆7366億元で前年同期比2.4%増となった。8月単月でも4544億元、1.1%増である。一方、同期間の不動産開発投資や家具、建築・装飾材料の小売統計は弱い。住宅新築市場が縮小する中でも飲食消費はプラスを維持しており、中国の家具・内装材メーカーにとってレストラン、カフェ、ホテル、商業施設など非住宅分野の重要性が高まる構図が見える。
日本の飲食店施工会社が中国調達を検討する際、この市場構造は有利に働く場合がある。レストラン内装ではテーブル、椅子だけでなく、ベンチシート、カウンター、間仕切り、装飾照明、壁面パネル、タイル、人工石、金属装飾など複数品目を同時に発注する。中国には家具、石材、金属加工、照明など専門工場が集積しており、一つの案件を複数工場へ分けることでデザインの自由度を高められる。
ただし飲食店家具は住宅家具より使用条件が厳しい。椅子は一日に何度も動かされ、テーブルには水分、油、洗剤が付着する。ベンチシートでは張地の耐久性や交換性、木部では塗装膜の耐水性、金属脚では溶接と防錆処理を確認したい。サンプル確認時には外観だけでなく、ぐらつき、接合部、塗膜、エッジ、清掃性をチェックする。
造作カウンターではさらに施工との連携が必要だ。シンク、厨房機器、配線、給排水、POSなどとの取り合いが発生するため、中国側の家具図だけで製作を開始してはいけない。日本側設備図との整合確認を行い、必要な点検口や配線穴を製造段階で加工しておけば現場加工を減らせる。
中国製内装材のメリットは単価だけではなく、加工選択肢の多さにある。特にテーマ性の強いレストランやホテルでは、少量の特殊家具や装飾材を組み合わせることで日本国内だけでは予算に収まりにくい空間を実現できる。ただし消防、防火、電気、シックハウスなど日本側法規は別途確認が必要であり、デザイン決定と輸入可否確認を並行して進めることが実務上重要だ。
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