
中国の全国標準情報公共サービスプラットフォームでは、2026年8月28日付で人造板関連の国家標準が相次いで公布された。代表例としてGB/T 4897-2026「パーティクルボード」、GB/T 5849-2026「細木工板」などがあり、いずれも2027年3月1日の実施を予定している。中国の家具・内装工場ではMDF、パーティクルボード、合板、細木工板などが大量に使用されるため、基材規格の更新は家具や住宅内装材の品質管理にも影響する。
一方、日本の住宅会社や内装会社が注意すべきなのは、中国国家標準への適合と、日本の建築物で使用できることは別問題だという点である。日本の建築基準法によるシックハウス対策では、合板、木質フローリング、MDF、パーティクルボード、壁紙、接着剤など特定の建築材料についてホルムアルデヒド発散量に応じた使用制限がある。F☆☆☆☆等級の材料は規制対象外として扱えるが、中国国内向けの試験報告書だけをもってF☆☆☆☆相当と自己判断することはできない。
特にマンションの造作収納、洗面台、キッチンキャビネット、壁面パネルでは、完成品の表面だけを確認しても意味がない。工場が使用する基材メーカー、板材型番、厚さ、接着剤、化粧材、エッジ材をBOMとして固定し、量産時に無断変更されない仕組みを作る必要がある。中国では同じ工場でも価格帯に応じて複数グレードの板材を使い分けるため、サンプル時と量産時の材料が同一かどうかが重要な検品項目となる。
また、住宅建材では一度施工すると交換費用が製品価格を大きく上回る。中国で1枚数百円安い板を選んでも、日本で臭気、反り、剥離、寸法不良が発生すれば現場対応費が利益を消す。したがって調達価格はFOB単価ではなく、検査、輸送、不良交換、国内施工まで含む総コストで比較すべきだ。新しい中国規格は工場管理を確認する有用な材料だが、日本向け住宅案件では日本法規と案件仕様を上位条件として設計することが基本となる。


