
中国国家統計局によると、2026年1〜7月の全国不動産開発投資は4兆3009億元で前年同期比19.2%減、うち住宅投資は3兆3172億元で19.1%減となった。住宅新規着工面積も24.6%減、住宅竣工面積は25.5%減であり、中国の新築住宅市場が建材需要を強く牽引した時期とは明確に異なる環境が続いている。
この変化は日本の中国調達にも影響する。中国国内の新築住宅向け需要が弱ければ、家具、タイル、衛生陶器、建具、照明などのメーカーが輸出市場や改修市場を重視する可能性がある。日本企業にとって新しいサプライヤーを開拓しやすい局面になる一方、需要低迷で経営状態が悪化しているメーカーを選ぶリスクもある。
したがって「工場が暇だから安く買える」という見方だけでは不十分である。発注前には会社の設立年、工場稼働状況、主要顧客、従業員、生産設備、輸出比率などを確認し、大型案件では工場監査を行う。異常に低い価格を提示する企業については、材料グレードの低下、外注化、前金依存などがないか注意したい。
一方、中国政府は都市更新、既存住宅の品質向上、スマートホームなどの政策を進めている。中国建材産業の需要が消えるのではなく、新築大量供給から改修・高品質化・省エネ・スマート化へ重心が移る可能性がある。日本の設計・施工会社は、中国メーカーの国内向け商品をそのまま輸入するだけでなく、日本市場向け仕様へカスタマイズできる企業を探すことが重要になる。不動産統計は中国工場の価格だけでなく、中長期的な供給者選定を考える材料として見るべきだ。



