
中国から木製家具を輸入する際、「木材だから植物検疫が必要」と考えるケースがあるが、日本の植物防疫所は製材、防腐木材、木工品、竹工品、家具什器等の高度に加工された製品を輸入植物検疫の対象外として案内している。完成家具や一般的な木工品については、生の植物材料とは扱いが異なる。
ただし注意したいのが梱包材である。家具本体が植物検疫対象外でも、輸送用に使用する無垢材パレット、ダンネージ、木枠、木箱などは国際基準ISPM15に基づく処理・表示が問題になる。植物防疫所の輸入木材こん包材取扱要領では、未処理の木材こん包材について定義し、国際基準に適合した消毒と表示を求める仕組みを示している。
一方、合板、パーティクルボード、ベニヤ板など接着剤、加熱、加圧によって作られた加工木材は、同要領上の未消毒木材こん包材に含まれない。中国工場へ梱包仕様を指示する際、「木箱」とだけ書くのではなく、無垢材を使うのか合板を使うのかを確認するとよい。石材、ガラス、家具など重量物では無垢材補強を使用することが多いため特に注意が必要だ。
日本到着後に木材こん包材の問題が見つかると、検査や処置によって引取が遅れる可能性がある。店舗やホテルの開業日が決まっている案件では、数日の遅れでも施工工程へ影響する。工場出荷前の検品時に梱包材のISPM15マークを写真で記録し、コンテナ積込写真と一緒に保管する方法が実務的である。
中国家具調達では家具そのものの材質証明、ホルムアルデヒド、寸法、外観に注意が集中しやすい。しかし国際物流では「製品ではない梱包材」が通関・検疫リスクになる。発注仕様書に梱包材の条件まで記載し、工場とフォワーダー双方へ共有することが、納期トラブルを防ぐ基本となる。




