
中国の家具展示会やオンライン市場ではデザイン性の高い椅子やテーブルを低価格で見つけられる。しかし飲食店に採用する場合、住宅家具をそのまま流用すると短期間で不具合が発生することがある。飲食店では一日に何度も椅子を動かし、テーブルを清掃し、水、油、アルコール系清掃剤などに接触する。使用頻度が住宅とは大きく異なるため、商業用途として仕様を決める必要がある。
木製テーブルでは天板基材、表面塗装、木口処理を確認する。水分が木口から侵入すると膨れや剥離が起こりやすい。椅子では接合部、脚部、床との接触部分を重点的に見る。金属脚の場合は溶接、塗装、アジャスターの交換性も重要である。張地を使用する場合は汚れ除去、摩耗、交換方法を確認し、予備生地を同時購入しておくと補修しやすい。
中国OEMでは「commercial grade」と伝えるだけでは要求が曖昧である。使用場所、想定人数、清掃方法、屋内外、必要耐荷重などをRFQへ記載し、工場から提案を受ける。試作品は外観だけでなく実際に座る、揺らす、移動する、清掃するなど使用状態で確認する。チェーン店では一号店で一定期間使用してから量産仕様を確定する方法も有効だ。
物流と補修も設計の一部である。完成椅子は容積が大きいため、スタッキング可能か、脚を外せるかでコンテナ積載数が変わる。ただし組立式にすると日本での施工人工とボルト緩みのリスクが増える。単純に物流費だけで決めず、店舗運営期間を通した総コストで比較する。飲食店家具は価格より「壊れたときに直せる構造」にすることが長期的なコスト削減につながる。



