
中国の内装材カタログには「A級防火」「阻燃」「不燃」などの表示が頻繁に登場する。しかし中国国内試験で高い防火性能を示していることと、日本の建築基準法上の不燃材料として使用できることは同義ではない。国土交通省は防火材料について不燃材料、準不燃材料、難燃材料を区分し、大臣認定ではNM、QM、RMなどの認定番号体系を使用している。
日本の店舗、飲食店、ホテルでは用途、規模、場所によって内装制限が関係するため、壁・天井材を中国から輸入する場合は設計段階で確認する必要がある。中国工場が提出する試験報告書を見て「燃えない材料だから大丈夫」と判断すると、確認申請や消防・施工段階で使用できないことが判明する可能性がある。特に木質化粧板、吸音パネル、樹脂系装飾材、布張りパネルなどは構成材料が複雑である。
防火性能は表面材だけでなく製品構成で確認することが重要だ。同じ化粧板でも基材、接着剤、表面シート、厚さが変われば認定条件と一致しない場合がある。中国メーカーから日本向け認定番号を提示された場合は、番号だけでなく認定書に記載された商品名、構成、厚さ、製造者を照合する。別工場でOEM生産した商品に同じ番号を使用できるとは限らない。
輸入前には設計者、施工会社、輸入者の役割を分ける。設計者が必要性能を指定し、輸入者が証明資料を収集し、施工会社が認定条件に沿って施工する流れが望ましい。中国製内装材はデザインと価格の選択肢が豊富だが、防火確認を発注後に行うと材料変更や納期遅延につながる。見積依頼書の段階から「日本で必要な防火区分」「認定番号または適合根拠」を必須項目にすることが、商業施設案件では最も重要なリスク管理となる。




