
中国では建築分野の低炭素化を背景に、グリーン建材の認証制度が拡大している。国家市場監督管理総局によれば、建築用ドア・窓、レディーミクストコンクリート、石材など6大類72種類がグリーン建材認証の対象となり、2026年6月末で認証取得企業5725社、有効証書1万1094件に達した。認証対象製品の売上高も拡大しており、中国建材産業で環境性能が製品選定軸の一つになっていることが分かる。
日本の設計事務所やデベロッパーにとって、中国の環境建材は価格だけでなく、調達先の選択肢を広げる可能性がある。ただし環境性能を示す証明と、日本の建築物で使用するための法的・技術的証明を混同してはいけない。中国でグリーン認証を取得した製品でも、日本の防火、ホルムアルデヒド、電気安全など必要な条件を自動的に満たすわけではない。
新素材では製品名称そのものにも注意が必要だ。「竹木複合材」「石塑材」「無機パネル」「岩板」など、中国市場で一般化した名称が日本の材料分類と一対一で対応しないことがある。輸入時には原材料構成と製造工程を確認し、HS分類を検討する必要がある。施工時には接着方法、下地、重量、熱膨張、吸水性などを確認し、サンプル施工を行うことが望ましい。
環境材料を比較する場合、認証の有無だけでなく、認証主体、適用規格、工場、対象製品、有効期限を確認する。さらにメーカーから原材料情報、試験報告書、製造ロット管理方法を取得する。ホテルや大型商業施設では採用量が多いため、途中で材料構成が変更されるとプロジェクト全体に影響する。量産時の材料変更を禁止または事前承認制にすることが重要だ。
中国のグリーン建材認証拡大は、日本企業にとって工場の環境対応力を比較する新しい情報源になる。今後の調達では「安い中国製品」ではなく、環境性能、品質管理、デザイン、輸出対応、日本法規への適合可能性を総合的に比較する必要がある。中国側の認証を入口として活用し、日本側で必要な証明を別途積み上げる二段階評価が、環境建材を安全に採用する現実的な方法である。

