
中国工業情報化部など6部門が策定した「建材行業穏増長工作方案(2025—2026年)」は、建材産業の安定成長とともに構造調整、品質向上、グリーン化などを進める政策文書であり、2026年も対象期間に含まれる。中国の建材産業を「低価格大量生産」の供給地としてだけ見ると、政策と市場の変化を見誤る可能性がある。
日本企業が注目すべきなのは、環境性能や高付加価値製品へ投資するメーカーと、価格競争だけを続けるメーカーとの差が広がる可能性である。ホテルや高級店舗では、単価が最も安い材料より、品質の再現性、環境情報、材料トレーサビリティ、少量カスタムへの対応が重要になる。中国工場選定でも設備更新や品質管理体制を確認したい。
ただし中国で「緑色建材」「環保材料」と表示されていることが、日本の建築規制や環境認証への適合を意味するわけではない。環境性能、防火性能、ホルムアルデヒド等は、それぞれ適用する規格と証明資料を確認する必要がある。マーケティング用語と法的・技術的性能を分けて評価することが重要だ。
調達実務では、メーカーへ原材料構成、再生材使用率、VOC等の試験資料、工場の品質管理体制を質問し、必要な性能を日本側仕様書へ落とし込む。中国の政策方向を利用して新素材メーカーを探しつつ、日本で採用できるかを別途検証する二段階方式が適切である。中国建材の競争力は価格だけではなく、設計自由度、製造設備、短い開発サイクルにもある。環境建材分野ではその能力を日本の法規・設計要求へ接続できる企業が有力な調達先になる。



