
中国の家具・建材展示会では「低炭素」「再生材」「環境配慮」「低ホルムアルデヒド」などを訴求する製品が増えている。2026年9月のCIFF上海も「設計・数智・可持続」をテーマとして掲げ、家具から建材、製造技術まで持続可能性を主要な方向性の一つとしている。日本のホテルや商業施設でも環境負荷を意識した材料選定が進む中、中国製の新素材は価格とデザインの両面で候補になり得る。
ただし、調達実務ではメーカーの「green」「eco」という表示を性能証明として扱わないことが重要だ。環境配慮という言葉には、再生原料の使用、VOC低減、省資源製造、長寿命化など異なる意味が含まれる。何が環境配慮なのかを数値や材料構成に分解して確認する必要がある。例えば再生材を使用しているなら含有率と原料由来、低ホルムアルデヒドを訴求する木質材なら試験方法と対象材料を確認する。
日本の建築物で使用する場合は環境性能と建築法規上の性能を別々に評価する。国土交通省はホルムアルデヒド発散建築材料について等級と使用制限を定めており、造り付け家具やキッチンキャビネットも対象となり得る。中国の環境認証を取得していても、日本の建築基準法上必要となる確認を省略できるとは限らない。防火性能など他の要求が関係する用途でも同様で、採用場所ごとに日本側設計者が確認する必要がある。
サンプル評価では意匠だけでなく、材料構成表、試験報告書、製造者、試験機関、試験規格、発行日を記録する。OEM品の場合、試験した製品と実際に輸入する製品の材料構成が同一かも確認したい。量産時に基材や接着剤が変更されれば、取得済みデータをそのまま引用できない場合があるためだ。
環境建材の採用価値は宣伝文句ではなく、設計者が追跡可能なデータを持っているかで決まる。中国展示会では新素材を幅広く発見し、その後、日本側で必要な性能を整理してメーカーへ追加資料を要求する二段階の選定が現実的である。デザイン、価格、環境性能、法規適合を同じ評価表で比較することで、中国の新素材を日本の実案件へ採用しやすくなる。




