
中国から店舗・ホテル向け商品を輸入するとき、「家具メーカーから買ったから家具」「建材メーカーから買ったから建材」と判断するのは危険である。日本の建築法規では、製造者の業種や中国側の商品名称ではなく、実際に建築物のどの部分へどのように使用するかが重要になる。特に造作家具、壁面パネル、固定収納、ヘッドボードなどは家具と内装仕上げの境界が分かりにくい。
例えば床置きで移動可能なキャビネットと、壁面全面へ固定する化粧パネルでは確認事項が異なる可能性がある。居室の内装仕上げに該当する材料では、用途によってホルムアルデヒド発散建築材料の制限や内装制限を検討する必要がある。国土交通省はシックハウス対策として対象建築材料と使用面積、換気設備などの規制概要を公開している。
中国側メーカーへ「日本基準に合いますか」とだけ質問しても正確な回答は得にくい。メーカーは日本の使用場所や建物条件を把握していないためだ。日本側で使用部位を図面上に示し、必要性能を決め、その性能を証明する資料をメーカーへ要求する順序が正しい。中国規格の試験書が提出された場合も、日本側要求との対応関係を確認する。
設計初期に中国製材料を選び、施工直前になって法規資料が不足すると代替材への変更が必要になり、色、寸法、納期が崩れる。これを防ぐにはマテリアルスケジュールに「法規確認」欄を設け、採用候補、使用部位、必要性能、証明書、承認状況を管理する。中国調達の強みは選択肢の多さだが、商品選定と日本法規確認を同時進行させなければその強みを生かせない。




