
中国国家統計局が8月17日に公表した2026年1~7月の消費統計によると、一定規模以上企業の「建築及び装飾材料類」小売額は累計690億元で前年同期比9.5%減、7月単月では94億元、同14.2%減となった。家具類も1~7月累計1004億元で4.5%減、7月単月は8.8%減である。住宅完成後の内装需要と密接な建材・家具市場が依然として調整局面にあることが数字から確認できる。
背景には住宅市場の縮小がある。1~7月の全国不動産開発投資は4兆3009億元で前年同期比19.2%減、住宅投資も19.1%減だった。新規着工面積は24.0%減、竣工面積も23.2%減である。中国国内の新築住宅向け販売に依存してきた建材メーカーにとって、国内だけで生産能力を吸収することが難しくなり、輸出、ホテル・商業施設、改修、スマートホームなど別市場への販売強化が重要になっている。
日本の設計事務所、内装会社、建材商社にとって重要なのは、「中国需要が弱いから安く買える」と単純化しないことである。受注不足の工場では値下げ余地が生じる一方、原材料変更、工程短縮、検査人員削減などが品質に表れる可能性がある。初回見積だけでなく、板材、接着剤、塗料、金物、表面材のメーカーと品番をBOMで固定し、量産前サンプルと出荷前製品を同じ仕様書で照合する必要がある。
特に店舗・ホテル案件では、家具、石材、タイル、照明、造作材を複数工場からまとめて輸入することが多い。価格交渉と同時に、輸出梱包、英語または日本語の図面管理、ロット追跡、補修部品供給、再製作時の納期まで確認したい。国内市場が弱い時期は、日本向け少量OEMを受ける工場を開拓する好機でもあるが、最安値の工場を探すより、日本の施工精度と納期管理に適応できる工場を選ぶ方が最終原価は下がりやすい。
中国建材調達では今後、国内市況の弱さを「値引き材料」として見るだけでなく、メーカー再編と輸出シフトを見極めることが重要になる。日本企業には、価格、品質、法規適合、梱包、物流、アフター対応までを一つの調達評価表で比較する運用が求められる。



