
中国から店舗やホテルの資材を一括輸入する案件では、一つのコンテナに家具、壁材、照明、ガラス、金物、厨房用品などが混在することがある。調達担当者にとっては「内装一式」でも、日本の法規では製品ごとに確認すべき制度が異なる。船積み直前になって初めて規制を調べると、納期遅延や仕様変更につながるため、設計・見積段階で法規仕分けを行う必要がある。
代表例が電気用品である。経済産業省は電気用品安全法の対象となる製品について、輸入事業者に届出、技術基準適合確認、自主検査、検査記録保存、表示等の義務を課している。LEDランプ、LED電灯器具、ACアダプター、コンセント付き家具などは対象判定が必要になる可能性があり、「家具工場から購入した部品だから家具扱い」とは限らない。
内装材については、使用場所や建物条件に応じて建築基準上の性能確認が必要になる。特に壁・天井仕上げ、防火関連部材、木質材料などは、日本の設計者が要求性能を整理したうえで中国側へ仕様を伝える必要がある。中国のGB規格や現地試験に合格していても、それだけで日本の認定・基準を満たすことを意味しないため、両国の規格を混同しないことが重要である。
飲食店案件では食品へ直接接触する器具・容器包装も別管理になる。食品用器具・容器包装ではポジティブリスト制度が導入され、2025年6月1日以降は経過措置終了後の制度に基づく確認が必要である。食器や厨房用品を家具と同じインボイスで輸入する場合でも、用途と材質を明確にしておく必要がある。
実務では商品リストに「商品名、用途、材質、電源の有無、食品接触の有無、設置場所、想定HSコード、確認すべき法令、必要資料」という列を設ける。中国工場から見積が届いた時点で一覧を作り、規制対象になりそうな商品へフラグを付ける方法が有効だ。
中国調達の最大の失敗は、製品が完成してから「日本では使えない」と判明することである。法規確認を通関直前の仕事ではなく商品選定の仕事として扱えば、中国の豊富な建材・家具を日本の建築案件へ安全に取り入れやすくなる。
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