
中国から家具、石材、大型タイル、照明などを輸入するとき、商品そのものだけでなく梱包材にも注意が必要である。重量物や壊れやすい建材では木箱、木枠、木製パレットが多用されるが、日本は国際基準ISPM15に基づき木材こん包材への植物検疫措置を実施している。
植物防疫所の輸入木材こん包材取扱要領では、貨物の保持、保護、運搬に用いるパレット、ダンネージ、木枠、こん包ブロック、ドラム、木箱、積載板、スキッドなどが対象として示されている。国際基準に適合する処理が行われ、所定の表示が付された木材こん包材であることが重要だ。
一方、合板、パーティクルボード、ベニヤ板など、接着剤の使用や加熱加圧等によって製造された加工木材は未消毒木材こん包材の定義から除かれている。したがって「木でできている梱包は全部同じ」という理解ではなく、無垢材なのか加工木材なのかを確認する必要がある。
中国工場へ発注する際は、Purchase Orderや梱包指示書に「Japan shipment」「ISPM15 compliant wood packaging」など要求を明確に記載し、船積み前の検品写真で木枠やパレットのマークを確認する。商品検品では製品だけ撮影し、梱包完成後を確認しないケースがあるが、日本向け輸出では梱包写真も検品項目に入れたい。
特に石材や大型タイルでは頑丈な木枠が必要となるため、現地工場が近隣の梱包業者へ作業を外注することがある。製品メーカーが制度を理解していても、梱包業者側で適切な材料を使用しなければ問題になる可能性がある。そのため「工場は知っているはず」と任せず、出荷単位ごとに確認する方が安全だ。
植物防疫所の取扱要領は2026年5月25日にも一部改正されている。中国建材輸入では商品規制だけを調べるのではなく、梱包材の制度も最新情報を確認したい。数百万円の貨物で梱包上の不備が原因となって港で余分な処理や遅延が発生すれば、工程全体に影響する。船積み前の数枚の写真確認で防げるリスクは、事前に管理するべきである。
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