
中国から家具や建材を輸入する際、日本企業がよく採用するのが出荷前検品である。完成品を抜き取り、寸法、外観、数量、梱包を確認してからコンテナへ積む。しかし造作家具や複合建材では、出荷前検品だけでは確認できない品質項目が多い。内部補強、接着剤、基材、隠れた金物、防水処理などは完成後には見えなくなるためだ。
実務では検品を三段階に分けると管理しやすい。第一段階は量産初回品検査である。工場が量産を開始した直後に完成した数点を確認し、図面寸法、材料、色、構造、金物を承認サンプルと照合する。この時点なら問題があっても残りの生産へ修正を反映できる。第二段階は量産中間検査で、製造進捗30~60%程度の段階で内部材料や工程を確認する。板材、金物、塗装前処理など完成後に確認できない項目を見る重要な工程である。
第三段階が出荷前検品である。数量、外観、寸法、機能、ラベル、梱包、付属品を確認し、コンテナ積載前の最終判定を行う。家具なら扉・引き出しの作動、椅子ならぐらつき、石材・タイルなら色差や欠け、照明なら型番や付属電源を確認する。抜取検査の場合は、何個をどの基準で検査するかを発注前に決めておく必要がある。
検品報告書では「OK」「NG」だけでなく、写真、寸法測定値、図面番号、製造ロットを記録する。問題品が見つかった場合には、修正後の再検査を誰が確認するかまで決める。工場が送る修正写真だけで承認するのか、第三者または自社担当者が再訪するのかは、問題の重要度で判断する。
日本の店舗やホテルでは開業日が決まっているため、不良品が日本到着後に判明すると再製作の時間がない。中国での検品費用を削減しても、日本で職人が補修すればコストは簡単に逆転する。検品は不良品を探す作業ではなく、問題をできるだけ早い工程で発見する仕組みと考えるべきである。図面、BOM、承認サンプルと三段階検品を連動させることで、中国調達の品質リスクを大きく下げられる。



