
中国から家具や建材を輸入する際、多くの企業が第三者検品を「完成品を出荷前に見る作業」と考えている。しかしホテル家具、店舗什器、造作家具のような特注品では、完成後に重大な問題が見つかっても作り直す時間がない。品質管理は検品会社を呼ぶ日ではなく、発注仕様を決める時点から始まっている。
第一段階はゴールデンサンプルの承認である。色、艶、木目、寸法、金物、座り心地などを確認し、承認したサンプルを量産基準として工場に保管する。写真だけでは色差や質感を判断しにくいため、重要案件では日本側にも同一サンプルを保管する。第二段階は材料確認で、MDF、合板、化粧板、石材、金物、張地などがBOMどおりかを量産開始前に確認する。
第三段階は製造中検査である。完成後には見えなくなる木部接合、下地、内部金物、溶接、配線などを確認する。ホテルの大量家具では全数量完成後に寸法ミスが判明すると損失が大きいため、最初の数台が完成した時点で確認する「First Article Inspection」が有効だ。第四段階が出荷前検品で、数量、外観、寸法、機能、梱包、ラベルを確認する。
Alibaba.comも購入者向け案内で、詳細なPO、サンプル、製造モニタリング、検品サービスを注文保護の補完手段として推奨している。重要なのは、検品会社へ「品質を見てください」と依頼するのではなく、合否判定基準を買主側が作ることだ。例えばテーブルなら幅・奥行・高さの許容差、塗装傷の許容範囲、ぐらつき、金物型番、梱包方法までチェックシートへ記載する。
また検品合格を残金支払い条件と連動させる方法も有効である。T/T取引で前金を払い、量産後に残金を支払う場合、出荷前検品に合格したことを残金支払いの条件として契約に明記する。中国調達では「不良を見つける検品」より「不良を作らせない工程管理」の方が圧倒的にコストが低い。特注品ほど検査を製造工程へ前倒しすることが重要である。




