
中国から床・壁用セラミックタイルを輸入する際、価格交渉と同じくらい重要なのがHS分類である。日本税関の2026年8月版実行関税率表では、陶磁製の舗装用品、炉用・壁用タイルなどは第69類、主にHS6907に分類される。分類は外観や商品名だけでは決まらず、材質、吸水率、形状などによって細分される。例えば6907.22は吸水率が全重量の0.5%を超え10%以下、6907.23は10%を超えるものとされ、モザイク等は6907.30、仕上げ用陶磁製品は6907.40に区分されている。
2026年の税率表では、これらの一部について基本税率1.7%、WTO協定税率は品目により1.7~2.1%の表示があり、RCEP中国欄には品目に応じ0.8~1%などの税率が示されている。ただし、具体的な税率は9桁の統計番号、原産地規則、輸入時点の実行税率によって確認する必要があり、「中国製タイルなら一律何%」という扱いは危険である。
実務上の問題は、中国メーカーの商品名と日本のHS分類が一致しないことである。「porcelain tile」「ceramic tile」「sintered stone」などの販売名称だけで税番を決めるべきではない。輸入者は材質、製法、焼成の有無、吸水率、寸法、用途を確認し、判断が難しい商品については税関の事前教示制度を利用できる。文書による事前教示回答は原則として発出後3年間、輸入通関審査で尊重されるため、継続輸入する建材では特に有効である。
RCEP税率を使う場合には原産性の証明も必要になる。日本への輸入では輸入者自己申告も利用可能だが、輸入者が原産品であることを証明できる十分な情報を持ち、原産品申告書や必要な説明資料を準備する必要がある。単に中国から出荷されたという事実だけではRCEP中国原産品とはならない。
店舗やホテルではタイルを数百~数千平方メートル単位で輸入することがあるため、1%前後の税率差でも総原価に影響する。発注前にHS分類、RCEP適用可否、梱包後重量、海上運賃、国内配送費まで計算し、平米単価ではなく日本現場到着単価で比較することが重要である。




