
中国から日本へ陶磁製タイルを輸入する際、通関実務の出発点となるのがHS第69類である。日本税関の2026年8月1日現在の輸入統計品目表では、陶磁製の舗装用品、炉用・壁用タイル、モザイクなどは第6907項に分類される。例えば6907.21には吸水率が全重量の0.5%以下のタイルが含まれ、基本税率1.7%が掲載されている一方、EPA欄には協定ごとの税率が設定されている。実際の適用税率は原産国、品目、原産地要件などを確認して判断する必要がある。
タイル調達で注意したいのは、中国工場の商品名とHS分類が一致するとは限らないことである。「porcelain tile」「ceramic tile」「sintered stone」などの営業名称だけで税番を決めず、材質、製造方法、吸水率、寸法、用途、裏張りの有無などを確認する。大型セラミックスラブを家具天板として加工した製品などは、輸入時の状態によって検討すべき分類が変わる可能性があるため、高額・継続輸入案件では税関の事前教示を利用する選択肢もある。
日本の設計会社にとっては、関税以上に品質管理が重要である。中国タイルは大判化が進み、600角、1200角を超える製品もホテル、店舗で使われるが、サイズが大きいほど反り、割れ、輸送中の破損、ロット色差が施工品質へ影響する。発注時には寸法公差、厚さ、吸水率、表面仕上げ、滑り、色番号、ロットを仕様書に入れ、予備材を含めた数量で発注したい。
梱包についても木枠の強度とフォークリフト差込方向を確認する。コンテナ内で荷重が偏る石材・タイルは、重量制限と荷役方法を物流会社と事前調整する必要がある。現場へ直送する場合は箱ごとに部屋番号や施工エリアを表示すれば国内での仕分け費用を削減できる。
中国製タイルは価格と意匠の選択肢が大きな魅力だが、「材料価格+関税」だけでは総コストを判断できない。破損率、予備材、検品、国内荷役、施工性まで含めた着地原価で比較することが、日本の商業施設・ホテル案件では重要である。





