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中国OEMの「工場価格」だけでは輸入原価にならない、課税価格と契約費用を発注前に整理する

2026年9月8日 中国貿易・契約・リスク
中国OEMの「工場価格」だけでは輸入原価にならない、課税価格と契約費用を発注前に整理する

中国メーカーから家具や建材の見積を受け取ると、工場価格に為替を掛けて日本での原価を計算しがちだ。しかし輸入取引では、工場への支払額と税関上の課税価格が必ずしも同じとは限らない。財務省税関は、原則的な課税価格について、輸入貨物の現実支払価格に、価格へ含まれていない所定の加算要素を加えて計算すると説明している。

代表的な加算要素には、日本の輸入港へ到着するまでの運賃、保険料その他の運送関連費用がある。また一定の仲介料・手数料、容器や包装費用、買手が無償または値引きして提供した物品・役務、条件を満たすロイヤルティなども関係する。中国OEMでは製品代とは別にデザイン費、金型費、治具、梱包費、第三者への手数料などが発生するため、それぞれの支払いが関税評価上どのように扱われるかを確認する必要がある。

特に注意したいのが、複数企業への支払いを「商品代ではないから関係ない」と判断することだ。課税価格はインボイスに記載された金額だけを見て決まるとは限らない。税関は加算要素について、客観的で数値化された資料に基づいて加算すると説明している。複数貨物に共通する費用がある場合には、合理的な方法で按分する考え方も示されている。

したがって輸入会社は、中国工場との契約書、Commercial Invoice、運賃明細だけでなく、OEMに関連する支払一覧を案件ごとに管理するべきである。買付会社、デザイン会社、工場など複数者が関与する取引では、誰に何の対価を支払っているのかを契約書で明確にする。特殊な取引や判断が難しい費用がある場合、税関には関税評価について事前教示を求める制度もある。

契約面では、価格だけでなくIncoterms、支払時期、検品条件、不良品処理、知的財産、図面・金型の所有権、材料変更、納期遅延などを明文化する。T/Tで大きな前金を支払う案件では、工場の信用確認と生産進捗確認も重要になる。

中国調達の利益は「工場価格と日本販売価格の差」ではなく、製品、物流、関税、消費税、検品、国内配送、不良リスクを含めた着地原価で判断すべきである。発注前に契約費用と課税価格を整理することが、建材・家具輸入を継続事業にするための基本的なリスク管理となる。

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