
中国メーカーとの取引では米ドル建て見積が一般的な輸出企業もあれば、人民元建てを提示する工場もある。2026年9月について日本銀行が公表した報告省令レートでは1米ドル163円、中国元については1元0.147米ドルという換算値が示されている。これは個別商取引の実勢決済レートそのものではないが、円から見た外貨コストが大きい環境では為替管理の重要性が高まる。
例えば家具のFOB価格をドルで契約し、30%を発注時、70%を2カ月後に支払う場合、円換算原価は残金支払時の為替によって変わる。見積時の円換算額だけで販売価格や工事原価を固定すると、円安が進んだ場合に利益が減少する。人民元建ても同様である。
実務ではまず「どの通貨で価格が本当に固定されているか」を確認する。中国工場がドル建てを提示していても、人民元原価を基に毎回ドル価格を変更するなら実質的には人民元連動である。見積有効期限、為替変動時の価格変更条件を確認したい。大口案件では前金・残金の支払予定日ごとに外貨必要額を管理し、金融機関と為替予約等の手段を検討する方法がある。
一方、為替リスクを避けるために全額前払いするのは品質・信用リスクを増やすため適切とは限らない。決済リスクと為替リスクを別々に管理する必要がある。日本の建築・内装会社が中国調達を継続する場合、工場価格だけでなく為替、海上運賃、関税を含む着地原価を案件ごとに更新し、見積利益率を管理することが重要になる。




