
中国国家統計局が9月4日に公表した流通分野の重要生産資料価格調査では、2026年8月下旬に主要鉄鋼製品の価格が上昇した。直径20ミリのHRB400E異形棒鋼は1トン3130.3元で8月中旬比2.2%上昇、普通中板は3526.9元で1.3%上昇、熱延普通鋼板コイルは3326.4元で1.9%上昇した。調査対象50品目全体でも34品目が上昇しており、中国の素材価格が一方向に下落している状況ではない。
日本の店舗内装やホテル施工で中国から調達する場合、鉄鋼市況は構造材だけの問題ではない。店舗什器のフレーム、テーブル脚、棚、ブラケット、厨房周辺部材、スチール扉、パーティション、家具内部金物など、多数の製品に鋼材が使われる。完成品メーカーから「材料価格上昇」を理由に値上げを提示された場合は、今回のような公的価格指標と照合し、どの材料が何%上昇したのかを確認すると交渉しやすい。
ただし素材価格の上昇率をそのまま完成品価格へ適用するのは合理的ではない。例えば鋼材価格が2%上昇しても、完成家具価格には木材、塗装、加工、組立、梱包、管理費などが含まれるため、製品全体を2%値上げする根拠にはならない。BOM、つまり部材構成表を作り、金属部分の重量または原価構成を確認する方法が有効だ。
長期案件では見積書に価格有効期限を設定し、材料価格変動条項を設けることも検討したい。中国工場側にとっても原材料を先行購入できれば価格を固定しやすい。日本側が前金を支払う場合は、単なる資金提供にせず「主要材料購入完了」「材料検査」「量産開始」など支払マイルストーンと結び付けるべきである。建材調達では完成品単価だけを見るのではなく、素材相場、加工費、物流費を分けて把握することが価格交渉力につながる。



