
2026年8月の中国製造業PMIでは、大型企業が50.6と拡張領域へ上昇した一方、中型企業は49.4、小型企業は47.9だった。国家統計局の指数は個別建材企業の経営状態を示すものではないが、企業規模によって景況感に差があることは、中国サプライヤー選定で考慮すべき背景情報となる。特に家具、金物、照明、装飾材は中小企業の供給比率が高い分野である。
小規模工場には、小ロット、特注、迅速な意思決定という利点がある。一方、大型ホテル案件を一社へ集中発注すると、生産能力や運転資金が不足する可能性がある。前金を受け取ってから材料を購入する工場では、複数案件が重なった際に納期が遅れることもある。工場監査では従業員数や工場面積だけでなく、現在の受注残、月間能力、主要材料在庫、外注比率を確認したい。
大型企業も万能ではない。MOQが高い、仕様変更に時間がかかる、小ロット案件を優先しないといった問題があり得る。店舗一店舗の特注家具なら中小工場、大型ホテルの標準家具なら量産能力の高い工場というように案件特性で使い分けるべきである。
供給リスクを下げるには、重要品目で代替サプライヤーを一社確保する、金物など共通部品を標準化する、量産を複数ロットへ分ける方法がある。また前金比率を必要以上に高くせず、検品合格と残金支払いを連動させる。PMIの企業規模別データは「小さい会社は危険」という結論ではなく、調達先の財務・生産能力を案件規模と照合する必要性を示している。中国調達では会社の大きさではなく、案件に対して適切な供給能力を持つかを評価したい。



