
中国から店舗・ホテル用LED照明を輸入する際、関税と製品安全を分けて考える必要がある。日本税関の2026年7月9日版実行関税率表では、第94.05項に照明器具が分類され、LED光源と専ら使用するよう設計された天井・壁掛け照明など9405.11を含む多くの品目で関税が無税となっている。しかし関税が無税であることは、日本国内で自由に販売・施工できることを意味しない。
電気式照明を輸入する場合は、製品構成に応じて電気用品安全法の対象となるかを確認する必要がある。照明器具本体だけでなく、電源装置、プラグ、コード、スイッチなどを含む構成によって確認事項が変わる。中国メーカーがCEやCCCなど海外・中国向け認証を取得していても、それだけで日本のPSE対応を代替できるわけではない。
店舗設計ではデザイン確定後に照明を発注することが多いが、中国製品を使う場合は候補選定時に電気仕様を確認したい。定格電圧、周波数、消費電力、電源方式、調光方式、ドライバー型番、交換部品の供給可否を仕様書へ記載する。スマート照明では無線通信機能を搭載する場合もあるため、電気用品安全法以外の法令確認が必要になる可能性もある。
また照明は現場で不具合が発生すると交換作業費が製品価格を上回ることがある。ホテルの客室や高天井店舗では特に交換負担が大きい。初回輸入では予備品を確保し、量産前に点灯、調光、色温度、ちらつき、発熱、取付構造を確認する。HS9405の関税が無税だからと価格だけで採用するのではなく、日本法令への適合確認と長期保守を含めて総コストを評価することが中国照明調達の基本である。


