
2026年8月、中国華東地区の主要港では台風の影響による港湾作業停止と再開後の混雑が発生した。浙江省国際貿易促進委員会の8月12日付情報によれば、寧波舟山港は8月7日夕方から一部を含む港湾作業が停止し、複数のコンテナターミナルが10日以降段階的に再開した。上海港でも外高橋、洋山などで11日から順次重箱・空箱の取扱いが回復したが、港が再開したからといって船期が即座に正常化するわけではないことが改めて示された。
建材輸入で特に注意すべきなのは、家具、石材、タイル、造作什器のように現場工程へ直結する貨物である。中国工場が予定日に完成しても、空コンテナの確保、工場への配車、CY搬入、船舶入港、積載のいずれかが遅れれば出港日は変わる。さらに抜港や積み残しが起これば、予約していた本船とは別の便になる可能性もある。
2026年8月1日には上海港の単日コンテナ取扱量が20万3881TEUとなり過去最高を記録した。高い処理能力を持つ一方、台風などで数日停止した貨物を短期間で処理する局面では、港周辺のコンテナヤード、トラック、船腹にも負荷が集中する。このため「ETDが決まったので納期確定」と考えるのは危険である。
日本の店舗・ホテル案件では、中国工場完成日、検品日、コンテナ積込日、CYカット日、予定出港日、予定入港日、通関、国内配送、現場搬入を別々のマイルストーンとして管理したい。特に開業直前の什器は、海上輸送に1~2週間程度の予備期間を追加するだけでは不十分な場合があり、台風シーズンや中国大型連休前後にはさらに余裕を見る必要がある。
20GP、40GP、40HQのFCLでは、一つのコンテナに複数カテゴリーを混載することも多い。遅れている一品を待つためコンテナ全体が出港できない事態を避けるには、重要品と追加品を分ける判断も必要だ。中国建材の物流管理では海上運賃だけでなく、「何日遅れても現場を止めない工程」を設計することが最も重要なコスト管理となる。



