
9月5~8日に上海・国家会展中心で開催された第58回中国家博会(上海、CIFF Shanghai)は、「Design・Digital Intelligence・Sustainability」をテーマに、家具だけでなく建材、商業空間、屋外家具、スマート製造までを横断する展示構成となった。主催者によれば展示規模は25万平方メートルで、家具と建材の全産業チェーンを対象としている。従来の中国調達が椅子、テーブル、照明、タイルなどを個別に探す形だったのに対し、空間全体の提案を一括して扱うメーカーやサプライヤーが増えていることが特徴だ。
日本の店舗設計・内装会社にとって、この変化は調達工数を減らせる可能性がある。例えば飲食店一店舗について、造作家具、椅子、テーブル、壁面パネル、金物、照明、装飾品を複数工場から買う場合、日本側が各工場との色合わせ、納期調整、梱包管理を行わなければならない。対して中国側で複数工場をまとめるコーディネーターや全案型企業を使えば、素材や色の統一、コンテナ混載、検品の一元化が可能になる。
ただし、一括調達は責任範囲が曖昧になりやすい。元請けとなる中国企業が自社工場を持たず、多数の外注先へ再委託するケースもある。見積時には「自社製造品」と「外注調達品」を分け、各商品の実際の製造工場、保証主体、検品場所を確認したい。特に店舗の造作家具では、扉、金物、照明、電源部品まで一体化すると、日本側の法規や施工条件に関係する部分が増える。
また、店舗内装で中国製品を採用する場合、図面表現の違いにも注意が必要だ。日本では現場寸法を基にミリ単位で納まりを詰めるが、中国工場側が意匠図だけで製造を開始すると、壁の不陸、巾木、設備配管、電源位置などとの干渉が発生する。製作前に承認図を作り、材料断面、金物、固定方法、配線経路まで確認する必要がある。
CIFF上海が示した「家具から空間へ」という流れは、日本の内装業者にとって有効な選択肢となる。ただし、一括発注のメリットを生かすには、日本側が設計責任と施工責任を明確に保ち、中国側には製造・調達範囲を文書化して発注することが前提となる。展示会で気に入った製品をその場で購入するのではなく、実案件の図面と日本法規に落とし込めるかまで評価して初めて、店舗向け中国調達が成立する。
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