
中国最大級の総合貿易展示会である第140回中国輸出入商品交易会、通称広州交易会が2026年10月に広州で開催される。公式情報では第1期が10月15〜19日、第2期が10月23〜27日、第3期が10月31日〜11月4日。展示カテゴリーには照明・電気、金物・工具、家庭用品、建材・家具などが含まれる。日本の店舗設計・施工会社にとって注目すべきなのは、完成品を仕入れるだけでなく、店舗を構成する複数の部材と工場を一度に比較できる点だ。
飲食店や物販店の内装案件では、椅子、テーブル、カウンター、棚、照明、タイル、ドア金物、サイン、装飾材などを別々のメーカーへ発注することが多い。オンライン調達では写真や単価を比較しやすい半面、塗装品質、金属溶接、引出しの動き、椅子の剛性、タイルの表面感などは画面だけで判断しにくい。展示会では現物を確認し、同じ日に複数メーカーへ同一仕様で見積依頼できることが大きな利点になる。
ただし、会場で商品を見てその場で発注する方法は勧められない。展示品は量産品と仕様が異なる場合があり、出展会社が実際の製造工場ではなく貿易会社の場合もある。候補企業について会社登記、工場所在地、主要設備、輸出経験を確認し、帰国後に図面、材質、仕上げ、数量、梱包方法を統一したRFQを送り直すべきだ。比較条件を揃えなければ、安い見積が材料グレードや梱包を省略しただけということも起こる。
店舗案件では特に納期管理が重要である。内装工事の工程は開業日に固定されることが多く、中国工場の遅延が現場全体を止める。発注時には試作承認日、量産開始日、工場検品日、船積予定日、日本港到着予定日を逆算し、遅延時の対応を契約に入れる。造作家具は現場寸法確定前に製造を始めず、照明や電気設備は日本の電圧・安全規制を確認する。
広州交易会を有効に使うポイントは「製品を買いに行く」のではなく、「供給網を作りに行く」ことである。店舗デザイン会社が家具工場、金物工場、照明工場、タイル工場を案件ごとに組み合わせられる体制を構築できれば、中国調達は単発の安値仕入れから継続的な設計資源へ変わる。
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