
中国から木製家具、木工品、造作部材を日本へ輸入する際、「木材だからすべて植物検疫が必要」と考えるのも、「家具だから何も確認不要」と考えるのも正確ではない。農林水産省植物防疫所は、製材、防腐木材、木工品、竹工品、家具什器など、病害虫が付着するおそれがない一定の加工品を輸入植物検疫の対象外として案内している。一方で、原木や加工状態の異なる植物類については個別確認が必要である。
さらに製品本体とは別に、輸送用木材梱包材の確認が必要だ。家具や石材を中国から輸送する際には木箱、パレット、角材を大量に使う。製品が検疫対象外でも、梱包材について国際基準に基づく処理・表示が問題になる可能性があるため、梱包会社任せにせず輸出前に確認する。
木材調達ではクリーンウッド法も重要性を増している。改正法は2025年4月に施行され、林野庁は2026年も運用資料や登録事業者情報を更新している。中国製家具や木材製品を継続的に扱う事業者は、自社が制度上どの位置付けになるか、合法性確認や情報伝達で何が求められるかを確認する必要がある。単に中国工場から「合法木材」と書かれた書類を受け取るだけではなく、樹種、伐採国、仕入経路など確認可能な情報を整理したい。
ホテル・店舗案件では突板、無垢材、合板など複数の木材を一製品に使用することがある。BOMに樹種と原産情報を記録し、量産中の材料変更を管理することが実務上有効だ。植物検疫、梱包材、合法伐採確認はそれぞれ目的が異なる制度である。中国製木質建材を安定的に輸入するには、「製品が家具だから問題ない」という一括判断をせず、製品本体、材料、梱包を分けて確認する必要がある。



