
中国工場とのOEM契約で「量産品は承認サンプルと同じ」とだけ記載するケースがある。しかし家具や建材は外観が同じでも内部材料や金物を変更できるため、サンプルだけでは契約仕様として不足する。サンプルは重要だが、図面、材料表、検査基準と組み合わせて初めて客観的な品質条件になる。
契約書またはPOには添付資料一覧を設け、図面番号とRevision、BOM、色板番号、梱包仕様、検品基準を特定する。電子ファイルの場合はファイル名と日付を固定する。後から変更する場合は双方の承認記録を残す。WeChatなどで「ここを5mm変更してください」と伝えただけでは、どの版が最終仕様か分からなくなる。
材料代替についても条件を設ける。指定材料が入手できない場合、工場が同等品へ自由に変更できる契約では品質を管理できない。「代替材料は買手の書面承認を要する」としておけば、変更前に性能と価格を確認できる。
納期については「完成日」と「出荷日」を分ける。工場完成後に検品、修正、輸出通関、コンテナブッキングが必要なため、完成日だけを契約しても日本到着日は管理できない。店舗開業案件ではLatest Shipment Dateを設定し、遅延時の連絡義務も決める。
紛争時に重要なのは双方が何を合意していたかを証明できることである。Alibaba.comのTrade Assuranceでもオンライン注文に記載した品質条件が重要と案内されている。契約を法律文書だけと考えず、設計図、材料表、検品基準を一つの契約パッケージとして管理することが、中国OEMの品質リスクを減らす最も実務的な方法である。



