
中国国家統計局の2026年8月製造業PMIでは、主要原材料購入価格指数が56.6となり、7月の53.2から上昇した。出荷価格指数も50.4へ上昇している。個別の木材、鋼材、アルミ、銅などの価格を直接示す数字ではないが、製造企業が原材料調達価格の上昇を感じていることを示す先行情報として、中国建材・家具の発注担当者は注目したい。
ホテルや商業施設では基本設計時に概算見積を取り、実際の発注が3~6カ月後になることがある。この間に材料価格が動けば、中国工場から再見積を求められる可能性がある。日本側の顧客には最初の価格が固定されているのに、中国側仕入価格だけ上がると内装会社や輸入会社が差額を負担することになる。
対策は見積書に有効期限を明記することだ。さらに主要材料について価格固定の条件を確認し、前金支払い時点で材料を確保するのか、量産開始時に購入するのかを聞く。大型案件では板材、金物、石材、張地など主要材料ごとに必要量を確定し、早期にロットを確保する方法もある。ただし設計変更リスクとのバランスが必要である。
契約では「原材料が上がった場合は双方協議」とだけ書くより、どの時点まで価格を固定するか、仕様変更による価格変更と市場価格による変更を分けて定義する方が実務的だ。為替変動も別要因であるため、人民元建て、ドル建て、円建てのどの通貨で契約するかも原価管理に影響する。中国のPMIは毎月公表されるため、発注担当者は原材料価格指数、購買量、新規受注を継続的に見て、価格交渉と発注時期の判断材料にするとよい。



