
中国の照明メーカーは装飾照明、LED器具、間接照明、スマート制御機器まで幅広く、店舗やホテルではオリジナルデザインを比較的少量から製作できる点が魅力である。しかし日本へ輸入して使用・販売する場合、最初に確認すべきなのは価格やデザインではなく、電気用品安全法など日本側の規制対象かどうかである。
電気用品安全法では対象となる電気用品を製造・輸入する事業者に届出、技術基準適合確認、検査、記録保存等の義務が課される。中国メーカーがCE、CCCなど海外向けの認証を持っていても、日本のPSE制度に自動的に適合するものではない。また同じ照明商品でも、器具本体、ACアダプター、LED電源装置、コードセット等が別々の規制対象になる可能性がある。
実務では設計図に商品を載せる前に、電気仕様を取得する。入力電圧、周波数、消費電力、絶縁構造、電源装置メーカー、使用場所、屋内外区分、調光方式を確認し、日本仕様のサンプルを作らせる。中国国内向け220V仕様を、日本側でプラグだけ交換して使用するような対応は避けるべきである。
ホテルや飲食店ではスマート照明、センサー、集中制御を組み合わせる案件も増えている。こうしたシステムではハードウェア単品の動作確認だけでなく、通信が切れた際の挙動、手動操作、交換部品、アプリやクラウドサービスの継続性も確認する必要がある。照明本体が10年間使えても、専用ゲートウェイやアプリが数年で終了すれば設備としての寿命が短くなる。
輸入時のHS分類も商品構成によって異なる。日本税関の2026年実行関税率表では電気機器は第85類、照明器具の一部は第94類に分類されるため、商品名だけで決めず構造と機能から判断する。継続輸入する商品で分類が不明確な場合は税関の事前教示も選択肢になる。
中国製照明をうまく活用するには、意匠設計と法規確認を後工程で分離しないことが重要である。デザイン承認後に日本仕様へ変更すると形状や納期が変わる。電源、PSE、制御方式、交換部品まで含む「日本仕様」を最初に工場へ提示することで、中国メーカーの製造力を安全に活かせる。
このページから、次の情報へ
製品・事例・専門記事・他サイトを行き止まりなくたどれます。
この記事に関連する専門サイト
飲食・建材・家具・中国工場・貿易の専門サイトを相互に連携しています。



