
中国のスマートホーム分野で標準化が加速している。国家標準情報公共サービスプラットフォームによると、2026年8月27日にGB/Z 228-2026「人工智能 家居大模型技術要求」が公布された。また8月28日にはGB/T 36464.2-2026「信息技術 智能語音交互系統 第2部分:智能家居」が公布され、同規格は2026年12月1日の施行を予定している。家電、照明、家具、センサー、音声操作などがネットワーク化される中、中国国内でも相互運用性やAI利用を意識した標準整備が進んでいる。
日本のホテルや住宅開発会社にとって、中国製スマート設備は価格と製品開発速度の面で魅力がある。客室照明、カーテン、空調、テレビ、音声操作を一括制御するシステムや、USB・電源・ワイヤレス機能を組み込んだ家具も増えている。しかし、中国の国家標準への適合と、日本で電気製品として販売・使用する際の法令対応は別に確認する必要がある。
経済産業省は電気用品安全法の対象・非対象解釈例としてLED照明器具、LED電灯器具用電源装置、シーリングファンライトなどの資料を公開している。中国から照明器具や電源装置を輸入する際には、製品構成によって電気用品安全法の対象となるかを確認し、対象の場合は日本の輸入事業者として必要な手続きを行う必要がある。「中国でCCC認証を取得している」「CE表示がある」という説明だけで日本のPSE要求を満たすわけではない。
スマート設備ではさらに通信方式、クラウドサービス、アプリの継続性も確認したい。ホテルで100室に導入した後、中国側クラウドサービスが終了すると設備全体の運用に影響する可能性がある。LAN内で動作できるか、APIが公開されているか、制御サーバーを日本側で管理できるか、故障時に単体交換できるかを発注前に確認することが重要だ。
中国のスマートホーム標準化は、製品の成熟度を評価する材料として有用である。一方、日本案件では電気安全、通信、保守、ソフトウェア寿命を含めたシステム全体の評価が必要になる。単価の安いIoT機器を個別に購入するのではなく、10年間運用する建築設備として調達条件を設定することが、ホテルや住宅での採用を成功させるポイントとなる。


