
深圳、中山、古鎮など中国華南には世界有数の照明産業集積があり、ホテルや飲食店向けの装飾照明をオーダー製作できる工場も多い。日本では入手しにくい大型シャンデリアや特注ペンダントを製作できることは大きな魅力だが、輸入前に必ず確認しなければならないのが電気用品安全法、いわゆるPSEである。
経済産業省は電気用品安全法の対象品目を区分しており、「特定電気用品以外の電気用品」には電線類、配線器具、小形単相変圧器、光源及び光源応用機械器具、交流用電気機械器具など多数の品目が含まれる。重要なのは「LED照明」という商品名だけで一律に対象・対象外を判断しないことだ。完成品だけでなく、電源装置、変圧器、コード、プラグ、ソケットなど構成部品の仕様によって確認事項が変わる。
中国工場から「CEがあります」「CCCがあります」と説明されることも多いが、CEや中国CCCが日本のPSEを代替するわけではない。日本で販売・使用する製品については、日本の法令上どの品目に該当するかを輸入者側で確認する必要がある。特に店舗案件では施工直前に電気工事会社から資料を求められ、そこで問題が判明すると工程に大きな影響が出る。
発注前には定格電圧、周波数、消費電力、電源方式、ドライバー型番、プラグ形状、コード仕様、調光方式を一覧にする。100V環境で使用するなら、中国国内向け220V仕様をそのまま購入しない。調光器を組み合わせる場合は、日本側設備との適合性もサンプル段階で試験したい。
ホテルや飲食店の特注照明では、照明本体を中国で製作し、電源部品や一部電装品を日本仕様へ変更する方法も考えられる。意匠部分と電気部分を分けて設計することで、中国工場の加工力を活かしながら日本側の安全要求へ対応しやすくなる。
中国照明調達で最も危険なのは、完成写真だけを見て発注することである。デザイン、構造、電気仕様、法規確認を同時に進め、電気工事会社とも船積み前に情報共有することが重要だ。
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