
中国から日本へ店舗・ホテル用建材を輸送する案件では、9月の華東地域で台風による港湾・船舶スケジュールへの影響を織り込む必要がある。国際物流会社の港湾情報でも8月には上海・寧波を含む中国沿岸で台風に伴うバックログへの注意が報告されている。家具や建材は航空便への切替が難しい大型貨物が多く、数日の遅延が開業工程へ直接影響するため、通常期と同じ輸送日数だけで工程表を組むことは避けたい。
重要なのはETD、ETAだけでなく、工場完成から現場搬入まで工程を分解することだ。工場出荷、コンテナ搬入、CYカット、船積み、海上輸送、日本港到着、輸入申告、デバンニング、国内配送を別々に管理する。台風で港が一時停止すると、再開後も待機船やコンテナが集中し、予定船への積載がずれることがある。予定していた本船が遅れた場合の次便スケジュールも発注時点でフォワーダーに確認しておきたい。
FCLかLCLかの判断も価格だけでは決めない。大型家具や石材、タイルを大量輸入する案件ではFCLにより貨物の積替え回数を抑えられるメリットがある。一方、小規模店舗で数量が少なければLCLが合理的だが、CFSでの取扱いと日本側費用を含めて比較する。20GP、40GP、40HQについては容積だけでなく重量、商品の高さ、梱包寸法から積載計画を作る。石材など重量物は40フィートを選べば必ず得になるわけではない。
開業日が固定された店舗・ホテルでは、家具と照明を同じ日に発注しても生産リードタイムが異なる。全商品が完成するまで待って一括出荷する方法が最適とは限らず、工程上重要な品を先行船積みする選択肢もある。逆に少量を細かく分け過ぎれば物流費が上昇するため、現場のクリティカルパスと輸送費を合わせて判断する。
中国建材物流で最も重要な数字は最安海上運賃ではなく「現場で使える日」である。季節要因を含む余裕日数を設定し、船積み遅延が発生しても開業工程を守れる物流計画を設計することが、調達担当者の重要な役割になる。


