
中国では金属パネル、木質パネル、石材調ボード、樹脂系装飾材、吸音パネルなど店舗向け内装材の選択肢が急速に増えている。しかし、日本の飲食店、ホテル、商業施設で使用する場合、デザインと価格だけで発注するのは危険だ。内装制限が適用される部分では、建築基準法上求められる不燃材料、準不燃材料などへの適合を設計段階で確認する必要がある。
中国メーカーが提示する「A级防火」「B1级阻燃」「fireproof」などの表示は、そのまま日本の不燃・準不燃認定を意味しない。中国国内規格やEN、ASTMなどによる試験結果を持っていても、日本の建築確認や消防・内装制限で必要となる性能証明とは制度が異なる。日本側で国土交通大臣認定を利用する場合には、認定番号だけでなく、認定対象となった材料構成、厚さ、基材、表面材、接着剤、施工方法まで実際に輸入する製品と一致しているか確認しなければならない。
実務で特に問題になりやすいのが「似た商品」である。中国工場から、同じデザインだから同じ性能だと説明されても、MDFの密度、アルミ複合板の芯材、塗料、接着剤、表面フィルムなどが変われば性能条件が変わる可能性がある。サンプルだけ認定仕様で、量産時に安価な材料へ変更されることを防ぐため、BOM(材料構成表)と量産仕様書を発注契約の添付資料にする方法が有効だ。
国土交通省は構造方法等の大臣認定について継続的に情報を公開しており、2026年9月9日時点でも防火材料関連の既存認定の取扱いに関する情報を更新している。日本側の施工会社は、メーカーが送ってきたPDFだけを根拠にせず、認定内容を確認したうえで建築士、確認検査機関など関係者と使用可能範囲を詰めるべきである。
中国製内装材の強みは、意匠の豊富さとオーダー対応力にある。その強みを日本で生かすには、意匠選定と法規確認を別工程にしないことが重要だ。候補材を決めた段階で「使用場所」「要求性能」「認定・試験資料」「実際の量産仕様」を一枚の管理表にまとめれば、発注後に材料を変更する事態を減らせる。店舗の開業日が決まっている案件ほど、輸入前の法規確認が最大の納期対策になる。
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