
中国メーカーとの初回取引では、契約時に一部前金を支払い、量産完了後または出荷前に残金を支払うT/T条件を提示されることが多い。具体的な比率は企業や商品によって異なるため一律ではないが、買手にとって重要なのは「残金支払の条件」を明確にすることである。単に工場から「完成しました」と連絡を受けて残金を送る方式では、支払後に品質問題が見つかった場合の交渉力が弱くなる。
店舗家具やホテル家具では、残金支払条件を出荷前検品の合格と連動させる方法が有効だ。契約書に検品項目、許容基準、不合格時の再加工、再検査を規定する。第三者検品を利用する場合は、誰が検品会社を指定し、費用を負担し、報告書を受領するかも決めておく。
Alibaba.comを利用する取引ではTrade Assuranceのような決済・取引保護制度も選択肢となる。公式案内ではプラットフォーム上の注文条件と支払記録が保護の基礎となるため、品質仕様や出荷日を注文内容へ明確に記載することが重要である。プラットフォーム外で変更した条件が正式注文へ反映されているかも確認したい。
大型案件ではL/Cを検討する場合もあるが、銀行費用や書類管理が増えるため取引額とリスクのバランスで判断する。重要なのは決済方式の名称ではなく、「どの時点で誰が何を確認したら支払うか」を工程化することである。試作承認、材料確認、量産開始、中間検品、完成検品、残金支払、船積みという順序を契約と工程表で一致させる。中国調達では価格交渉に時間を使いがちだが、支払条件は品質と同じくらい総リスクを左右する。



