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中国工場へのT/T前払いをどう管理するか、建材OEM契約で決めておくべき支払条件と証拠

2026年9月15日 中国貿易・契約・リスク
中国工場へのT/T前払いをどう管理するか、建材OEM契約で決めておくべき支払条件と証拠

中国の家具、建材、内装品をOEM発注すると、工場から「30%前金、70%出荷前」などのT/T条件を提示されることが多い。製造側が材料購入や生産枠確保のため前金を求めること自体は不自然ではない。しかし、日本の買主が注意すべきなのは、支払いのタイミングと品質確認のタイミングを分離しないことである。残金を100%支払った後に重大な不良が見つかれば、買主の交渉力は大きく低下する。

まず契約主体を確定する。営業許可証に記載された中国法人、契約書の売主、Proforma Invoiceの発行者、銀行口座名義がどういう関係にあるかを確認する。工場担当者から突然「別会社の口座へ送ってほしい」と連絡が来た場合、メールだけで判断せず、既知の電話番号やWeChat等を使って本人確認する。送金先変更を狙ったなりすましは国際取引で特に警戒すべき場面である。

次に支払条件を製造工程と連動させる。例えば契約・材料確定後に前金、試作品承認後に生産開始、量産完了後に出荷前検品、検品合格後に残金という流れにすれば、各段階で品質を確認できる。案件規模が大きい場合には、中間検品を追加する方法もある。重要なのは具体的な割合より、「何が完了したら次の支払いが発生するか」を明確にすることだ。

品質条件も契約本文だけで抽象的に書かない。製作図、材料表、色サンプル、金物リスト、梱包仕様を契約添付資料とし、書面承認なしの材料変更を禁止する。不良品が発生した場合の再製作、補修、部品送付、費用負担についても決めておく。日本で補修する場合、人件費が中国での製品価格を上回ることがあるためである。

為替も契約リスクの一部だ。見積通貨が人民元、米ドル、日本円のどれかを確認し、有効期限を設定する。長期のホテル案件では見積から量産まで数カ月空くことがあるため、為替変動や原材料価格変動を理由とする価格改定条件を曖昧にしない。

さらにインボイス、送金記録、チャット、承認図、検品報告書、積込写真を案件単位で保存する。問題発生時には「言った、言わない」ではなく、どの仕様をいつ承認したかが重要になる。

中国調達では信頼関係は重要だが、信頼と証拠は両立する。長年取引する工場であっても、契約、仕様、支払い、検品を記録する仕組みを維持することが双方を守る。安い仕入先を探すこと以上に、問題が起きた際に損失を限定できる取引設計こそ、中国建材ビジネスの継続性を左右する。

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