
中国から家具、タイル、ガラス、建材を輸入するとき「中国製なのでRCEPで関税が安くなる」と考えるだけでは不十分である。RCEP協定税率を利用するためには、対象品目にRCEP税率が設定されていることに加え、その貨物が協定上の原産品であることを確認し、必要な原産地証明手続きを行わなければならない。
日本税関はRCEP原産品の要件として、完全生産品、原産材料のみから生産される産品、品目別規則を満たす産品の三類型を示している。家具のように木材、金物、張地、ウレタンなど複数国由来の材料を使用する製品では、単に中国工場で組み立てたという事実だけで原産品になるとは限らない。該当HSコードの品目別原産地規則を確認する必要がある。
日本への輸入では、税関の案内によるとRCEPの原産地証明方法として輸入者自己申告、認定輸出者制度、第三者証明制度などが利用できる。中国からの輸入について輸入者自己申告制度を利用する場合、日本の輸入者自身が原産品申告書、原産品申告明細書、関係資料を準備する方法がある。一方、中国側の輸出者・生産者による自己申告は、RCEPの日本輸入時にすべての輸出国から利用できる制度ではないため、制度を混同しないことが重要だ。
輸入者自己申告は書類を自分で作ればよいという意味ではない。使用材料、製造工程、HS分類など、原産品であることを説明できる根拠資料が必要になる。工場が情報開示を拒む場合や材料調達先を把握していない場合、税率差が小さければ無理にRCEPを利用しない判断もあり得る。
また同じ「家具」でもHS9403の中で材質や用途によって分類が異なり、タイルは69類、ガラスは70類、照明器具は94類などに分類される可能性がある。まずHSコードを確定し、そのコードについて通常税率とRCEP中国税率を比較してから原産地証明に必要な作業コストを判断すべきだ。
中国調達の契約書や発注書には、RCEP利用を予定する場合、原産地証明に必要な資料提供への協力を条件として記載しておくとよい。商品出荷後に工場へ資料を要求しても担当者が対応できないケースがある。RCEPは単なる通関時の節税手段ではなく、商品分類、材料調達、製造工程を発注段階から管理する制度として理解することが重要である。
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