
中国から家具や建材を輸入する際、多くの企業が行うのが出荷前検品である。しかしホテル50室分の家具や店舗100店分の什器が完成してから不具合を発見しても、納期までに修正できない場合がある。品質管理で重要なのは「不良品を見つけること」ではなく、「大量の不良品を作らせないこと」である。
第一段階は原材料確認だ。木製家具なら合板、MDF、突板、金物、塗料、張地などが承認仕様と一致しているかを見る。量産開始後に材料変更が起きると、完成品の外観だけでは判別しにくい。主要材料のラベル、メーカー、型番を写真で記録し、BOMと照合する。
第二段階は初期生産検品である。量産の5〜10%程度が進んだ段階で寸法、構造、加工方法を確認すれば、図面解釈の間違いを早期に発見できる。例えば棚板の穴位置が10ミリ違う場合、100台完成後に発見するのと5台目で発見するのでは修正コストが大きく異なる。
第三段階は中間工程。塗装家具なら木地完成時、石材なら切断・穴加工後、金属製品なら溶接後など、完成すると見えなくなる部分を確認する。ホテル家具では内部補強、金物固定位置、配線孔などが重要だ。完成品だけを見ても内部構造は確認できない。
第四段階が出荷前検品である。数量、外観、寸法、機能、梱包、ラベル、付属品を確認し、コンテナ積込み前に合否を判断する。検品基準は「きれいであること」のような主観表現ではなく、許容寸法差、傷の許容範囲、色差基準、動作回数など可能な限り具体化する。
さらに検品報告書と写真を製品番号に紐付けて保存する。納品後に問題が出た際、製造ロットと検品記録を追跡できれば工場との原因究明が容易になる。
中国製造では工場との信頼関係も重要だが、信頼と検査は別である。品質の良い工場ほど検品基準を明確に共有した方が作業しやすい。工程検品を発注条件に組み込むことが、大型商業案件の納期と品質を守る現実的な方法である。
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