
中国工場へ家具や建材を発注する際、多くの輸入会社が出荷前検品だけを行う。しかし完成品になった時点で材料違いや構造不良が見つかると、修正には分解・再製作が必要になり、船積日に間に合わない。特に開業日が決まっている店舗やホテル案件では、検品を製造工程の途中へ分散させる方がリスクを小さくできる。
第一段階は材料確認である。造作家具ならMDF、合板、突板、金物、塗料、張地、フォームを量産前に確認する。タイルなら原料そのものを見るのは難しいが、生産ロット、色番号、サイズを確認する。照明ではLED電源、コード、プラグなど重要部品のメーカーと型番を確認する。発注仕様書に書いた材料と実際の入荷材料を照合する工程である。
第二段階は中間検品だ。家具なら組立前の加工寸法、木口、穴位置、下地処理を確認し、石材なら切断寸法や表面加工、金物なら溶接とメッキ前の状態を見る。この段階なら不具合を比較的低コストで修正できる。塗装後に内部構造は確認できないため、写真記録を残すことも重要だ。
第三段階が出荷前検品である。数量、外観、寸法、機能、梱包を確認し、合格品だけを梱包する。検査数量は案件リスクに応じて決める。100%検査が必要な特注品もあれば、量産品では合理的な抜取検査を用いる場合もある。ただし検査方法を事前に決めず、当日検品員の判断に任せるのは避けたい。
検品基準では「きれい」「問題なし」のような主観語を減らす。傷の長さ、色差の基準、寸法公差、扉の隙間、引出し動作、梱包方法などを数値や写真で示す。承認サンプルをGolden Sampleとして工場に保管し、量産品と比較する方法も有効である。
中国の家具製造業や非金属鉱物製品業では2026年に収益環境が厳しくなっており、工場が材料・工程コストを削減する誘因は強い。だからこそ過去の取引実績だけで品質を信用するのではなく、案件ごとに工程を確認する必要がある。検品は不良を探す作業ではなく、仕様変更を早期に発見して納期を守るための生産管理と位置付けるべきである。
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