
中国工場から家具や建材を輸入する際、出荷前検品を「傷や汚れを探す作業」と考えると十分ではない。店舗、ホテル、住宅など建築案件では、商品単体が正常でも、設計寸法と合わなければ使用できないからだ。特に造作家具、ガラス、石材、金属什器では数ミリの穴位置違いが現場施工を止めることがある。
検品項目は大きく外観、寸法、材料、機能、数量、梱包の六つに分ける。外観では色差、傷、塗装、木目、溶接跡を確認する。寸法検査では全品を測定する必要はない場合でも、重要寸法を図面上で指定し、抜取品について実測値を記録する。特に壁間に納める家具、ガラス穴位置、設備開口は重点管理項目とする。
材料確認では承認サンプルとの照合が重要だ。木質家具では完成後に内部基材を確認しにくいため、量産開始時点で板材や金物の写真を残す。石材ではロットによる色柄差があるため、加工前にスラブを並べて確認する方法が有効である。タイルもロット番号、色番号、サイズ番号を記録する。
機能検査では扉、引き出し、キャスター、ロック、照明などを実際に動かす。家具は水平な床でがたつきを確認し、椅子やテーブルでは接合部の緩みを見る。電気製品は日本法規への適合確認とは別に、量産品が承認仕様と同じ電源部品を使用しているか確認する。
梱包検査も重要である。輸出貨物は工場から港、日本港、倉庫、現場と複数回荷役される。国内配送用の薄い段ボールでは破損する可能性があるため、コーナー保護、防湿、木枠、パレット固定を確認する。木材梱包を使用する場合はISPM15表示も見る。
一般商品のAQL抜取検査は有効な方法だが、建築案件では「現場に合うか」という設計適合検査を追加しなければならない。検品会社へ依頼する場合も、商品名だけを伝えるのではなく、承認図、限度見本、重要寸法、禁止事項を渡すことが必要である。検品は不良を探す最後の工程ではなく、発注仕様が正しく量産されたことを確認する工程として設計すべきだ。
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