
中国からMDF、合板、木質パネル、化粧板を輸入して店舗や住宅の内装に使用する場合、最も注意したい日本側規制の一つがホルムアルデヒドである。国土交通省は建築基準法に基づくシックハウス対策として、告示対象となる建築材料についてホルムアルデヒド発散量に応じた使用制限を設けている。F☆☆☆☆等級の材料は規制対象外建築材料として扱われ、居室の内装仕上げなどに使用できる。
実務上見落とされやすいのが、壁や床の材料だけでなく、告示対象材料を使用した造り付け家具、キッチンキャビネットなども規制対象になり得る点である。中国工場から完成した収納家具を輸入する場合でも、建築物に固定して使用する設計なら、使用している基材の確認が必要になる。
中国メーカーからは中国国内規格に基づくホルムアルデヒド試験報告書を提示されることがある。しかし、中国の試験結果を見て数値が低いからという理由だけで、日本のF☆☆☆☆として扱えるとは限らない。国土交通省はJIS、JAS、または建築基準法に基づく国土交通大臣認定などにより種別を明らかにする仕組みを示している。採用前に、製品または使用材料が日本でどの根拠によって扱われるのかを確認することが必要だ。
中国調達では、サンプル段階と量産段階で基材メーカーが変わる可能性にも注意する。工場の購買担当者が同等品と判断して別メーカーのMDFへ切り替えると、表面の見た目は同じでも認定関係が変わる可能性がある。発注仕様書には基材メーカー、製品番号、厚さなどを記載し、変更時には日本側の承認を必要とする条件を設定するべきである。
店舗やホテルの短納期案件では、家具完成後に材料証明を集めようとして間に合わなくなるケースがある。設計段階で「どの部位が規制対象となり得るか」「どの証明を提出するか」を整理し、その条件をRFQ、見積依頼時から中国工場へ提示することが重要だ。中国製内装材の価格競争力を生かすには、輸入後に法規確認をするのではなく、日本側の要求性能を工場選定条件に組み込むことが基本となる。




