
中国の内装材メーカーでは、木目、石目、メタル調、布調など多様な表面仕上げを短期間で製品化しており、日本の店舗・ホテル案件でも採用候補が増えている。しかし、カタログ写真や表面サンプルだけで製品を選定すると、輸入後に日本の要求性能を満たせない場合がある。内装材で本当に確認すべきなのは「表面の下に何があるか」である。
例えば木目パネルでも、基材にはMDF、パーティクルボード、合板、無機板など複数の選択肢があり、表面材もメラミン、PVC、突板、塗装などで構成が異なる。接着剤を使用した二次加工品では、基材単体の試験結果だけでは完成品の性能を判断できない。国土交通省も、シックハウス規制の告示対象外材料であっても、素板を二次加工し接着剤などを使用した場合は規制対象となる場合があると説明している。
さらにホテル、飲食店、商業施設では内装制限との関係が重要になる。不燃、準不燃、難燃という表示は日本の建築基準法上の性能区分として扱われるため、中国のGB規格による防火試験結果を日本の不燃材料認定と同一視することはできない。中国工場が「A级防火」「fireproof」と説明していても、日本案件で必要な認定番号や構成仕様が確認できなければ、設計段階で採用可と判断すべきではない。
実務では、サンプル依頼時に製品断面図を提出させ、基材、表面材、裏面材、接着剤、厚さを確認する。その上で、日本側で必要なホルムアルデヒド、防火、耐水、耐摩耗などの性能を項目別に照合する。量産前には同じ材料構成をBOMで固定し、工場が別ブランドの接着剤や基材へ変更する場合は再承認を求める。
内装材は家具以上に施工後の交換コストが高い。1平方メートル当たりの材料価格が安くても、現場で使用不可になれば廃棄、再輸入、工期遅延が発生する。中国内装材の豊富なデザインを日本で活用するためには、意匠選定と技術審査を同時に進めることが不可欠である。





