
中国製のLED照明は店舗、飲食店、ホテルの内装調達で採用候補になりやすい。中山や深圳などには照明・電源・スマート制御のサプライチェーンが集積し、色、形状、寸法、色温度、調光方式を別注できる工場も多い。しかし日本案件では、デザインと価格を決めた後にPSE対応を確認する順序では遅い。最初に日本で販売・使用する製品として法規上どの区分に該当するかを確認する必要がある。
経済産業省によると、電気用品安全法は電気用品の製造、輸入、販売などを規制しており、政令指定の対象は特定電気用品116品目、特定電気用品以外の電気用品341品目である。LEDランプなども対象例として示されている。輸入品では日本の輸入事業者が届出、技術基準適合確認、検査など必要な義務を負う。中国メーカーがCEやCCCを取得していることだけで日本のPSE手続を代替できるわけではない。
実務では照明器具本体だけでなくAC/DC電源、コード、プラグ、スイッチなど構成部品を分けて確認することが重要だ。中国工場が日本向けとして「PSE部品を使う」と説明していても、量産時に同じ型番が使用されるかBOMで固定する。サンプルと量産品の電源メーカーが変わると、確認をやり直す必要が生じる可能性がある。
店舗照明では調光方式もトラブルになりやすい。位相制御、PWM、0-10V、DALIなど方式を設計者と工場で明確にし、日本側調光器との組み合わせを実機で試験する。スマート照明の場合はアプリやクラウドサーバーへの依存、通信規格、サービス終了時の操作方法も確認したい。ホテルでは一台故障した時に同じ色温度・配光の交換品を数年後に供給できるかも重要である。
中国照明を採用するメリットは、単価だけでなく特注性にある。だが日本の施工会社が安心して使うには、PSE対象確認、輸入者責任、電源部品固定、調光試験、予備品の確保までを発注条件に含める必要がある。意匠担当が選んだ後に法務・電気担当へ回すのではなく、候補選定の段階から安全規制を確認することが、中国照明調達の手戻りを最も減らす方法である。




